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バランス型投信、運用額が増加 NISAと相性良く

5/29(月) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 1本で国内外の株式や債券、不動産などに分散投資できるバランス型投信の存在感が再び高まってきた。少額投資非課税制度(NISA)や個人型確定拠出年金(DC)の普及などが後押しし、中長期の資産形成に向いた商品として運用額が増え続けている。ただし一口にバランス型といっても種類は多い。投資志向に応じてどんな商品が適しているか点検してみた。
 「日々の値動きを気にせずに長期投資したいが、資産構成を決めるのにそれほど手間をかけたくない」。「分散投資といってもどんな投信を買えばよいかわからない」。こうしたニーズに合う商品がバランス型投信だ。値動きの異なる複数の資産で運用するため、株式だけに投資するよりもリスクを軽減しやすい。
 人気は統計にも表れている。ドイチェ・アセット・マネジメント資産運用研究所によると、国内か世界全般を対象としたバランス型投信の運用資産は4月末で6兆8764億円に達した(グラフA)。同月末としては2009年以来、8年ぶりの高水準だ。いつでも買える非上場の株式投信全体の1割強に相当する。

■長期ニーズ追い風

 バランス型投信の利点の1つは投資税制との相性の良さだ。年120万円までの投資に対する運用益が非課税のNISA向きの投信として、ここ数年で再び本数や残高が増え始めた。
 ファイナンシャルプランナーの神戸孝氏は「NISA口座は一度売却した枠の再利用ができないため、資産構成を見直しにくい。NISAで長期運用したい場合、1本で幅広い資産に分散投資できるバランス型の利用価値は高い」と話す。
 今年1月からは60歳まで資金が引き出せない代わりに拠出額が課税所得から控除され、運用益も非課税になる個人型DCの対象者が拡大。DCも長期運用が前提のため、バランス型投信の需要を押し上げそうだ。

 バランス型投信の中でも種類は分かれる(表B)。大別すると、資産配分を大きく動かさない「固定型」か、相場状況に応じて資産を柔軟に入れ替えてリスクを抑える「変動型」だ。固定型で最も運用資産が大きいのは日興アセットマネジメントが運用する「財産3分法ファンド(毎月分配型)」だ。4月末で3455億円の残高を誇る。不動産、債券、株式に幅広く投資し、安定運用を図る。

 変動型は、例えば株式相場の下落が続いた場合、より安全資産とされる債券などの比率を高めたりする。アセットマネジメントOneの「グローバル・アロケーション・オープン」や三菱UFJ国際投信の「トレンド・アロケーション・オープン」などが代表的だ。ドイチェ・アセットの藤原延介氏は「一般的に相場の下落時にリスクを抑えやすい一方、上昇時は流れに乗りづらい特徴がある」と解説する。
 実際に過去の相場でどんな値動きをしたか確認してみよう(グラフC)。4月末まで3年のリターンでみると、34%上昇した日経平均株価には及ばない。ただ財産3分法ファンドは分配金再投資後ベースで16%、トレンド・アロケーションは6%と、着実にプラスの成績を挙げている。
 足元で特に市場の変化が激しかったのは中国の景気減速懸念が強まった15年8~9月と、トランプ氏が米大統領選挙で当選した前後の16年11~12月だ。

 前者では日経平均が2カ月で16%下落したが、財産3分法ファンドは9%、トレンド・アロケーションは5%の下落にとどまった。半面、トランプ氏の当選時には日経平均が2カ月で10%上昇したが、2本の投信の伸びはそれぞれ7%、1%だった。上昇相場で大きくもうけるのは難しいが、中長期で安定的なリターンを期待する投資家などに向いている商品といえる。
 他の投資指数と比べても安定感が目立つ。海外先進国株式に投資する代表的な指数は3年間のうち上昇率が最大で27%、下落率は2%。これに対し、財産3分法ファンドは変動率がマイナスに落ち込んだことはなかった。さらに3年リターンは安全資産の一つとされる世界債券に投資する指数と比べても高い。

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最終更新:5/29(月) 7:47
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