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もう銀行でお金を借りる必要はない!「ブロックチェーン」×「スマートコントラクト」

5/29(月) 18:00配信

BEST TIMES

ここ1年でブロックチェーン技術を取り巻く社会は大きく変化した。連日、ニュースの見出しにブロックチェーンおよびビットコインという言葉が踊っている。「1990年代のIT革命以上」と言われている、ブロックチェーンのインパクトとテクノロジーの進化が巻き起こす第4次産業革命を直前に控え、我々はどう備えればいいのか。『ブロックチェーン入門』(KKベストセラーズ)の著者、森川夢佑斗氏に、ブロックチェーンを関連して注目されている「スマートコントラクト」について解説してもらった。

スマートコントラクトにより、世界中どこからでもお金が借りられる! 

 前回までの記事で、これまでの銀行の業務が、ブロックチェーンやその関連技術によって代替される可能性についてお話しました。

 預金業務や為替業務は、ビットコインをはじめとする暗号通貨(仮想通貨)が、基本機能として備えているもので、それらはブロックチェーン技術により支えられています。
 さらに大手金融機関と次々に提携を進め注目を集めるリップルが、国際送金の仕組みを変える可能性についても触れました。

 では、銀行の貸付業務については、どうでしょうか。貸付業務は、銀行の大きな収益源となっています。企業や個人に対してお金を貸し、銀行はその利率の支払いによって利益を得ています。
 貸付業務は、多岐な業務に渡りますが、基本は銀行がお金を借りたい個人、または法人に対し、本当にお金を貸しても大丈夫かを審査し、契約を結んでお金を貸します。
 この時、その個人または法人の信用度合いによって、借りられる金額や利率が決まります。
 この個人や法人の信用をどのように測るかといえば、これまでの借り入れ履歴やどういった企業に務めているかなどをもとにするのが一般的です。
 金融機関が、審査を行い、個人や法人に「これだけのお金を貸しても大丈夫」という信用を与える業務であるので、与信業務とも呼ばれています。

 最近は新興のフィンテック企業が、新しい取り組みを続々と行っています。
 例えば、その人が、ソーシャルサービスでどれだけ友人がいるかといった利用状況から評価するサービスやアリババの提供する「芝麻信用」などの顧客のこれまでのすべての利用状況データを解析して評価するサービスなどです。
 このように従来は金融機関が担っていた与信業務を、他の企業が担うようになってきているのです。

 ここからさらに、ブロックチェーン技術の導入によって、そうした企業すら不要になるかもしれません。
 ここからは、ブロックチェーンに関連して注目されている、「スマートコントラクト」についてお話しします。

 スマートコントラクトとは、定められた条件に沿って一連の取引を自動で執行することを指します。
 定める条件の内容および取引履歴は、すべてブロックチェーン上に記録され改ざんができません。細かい説明はここでは省きますが、たとえば、「自動販売機でお金を入れたあとに、ボタンを押すと缶ジュースが出てくる」といったように、条件に沿って決められたことが、インターネット上で自動的に実行されていくものなのだと思ってください。
 このスマートコントラクトを用いることで、貸付業務および与信業務を自動化することが可能です。
 例えば、太郎さんが1BTCを1か月借りたいとします。太郎さんは、自分が1BTCを1か月借りたい旨と、利率を申告します。今回は、仮に利率を1パーセントとしておきます。
 借りたい金額と利率を見て、世界中の人がその人にお金を貸すかどうかを決めます。花子さんが貸してもいいと思い、太郎さんのビットコインアドレスに1BTC送金します。その際に、返金用のアドレスも設定しておき、1か月後までに1.01BTCが返還されれば、自動的に花子さんのビットコインアドレスに送金がなされるという条件をスマートコントラクトとしてブロックチェーン上に記録しておきます。
 太郎さんが期日までに、1.01BTCを設定されたアドレスに返還すれば、花子さんの手元に金利を含む1.01BTCが送金されます。

 もし太郎さんがお金を返さなければどうなるでしょうか? この場合、花子さんにお金を返してもらう手段はありませんが、この借主がお金を返さなかったという履歴は、ブロックチェーン上に永続的に残ることとなります(太郎さんと花子さんが知り合いの場合は、直訴にいけますが)。
 そのため、今後、他の人も、太郎さんに対してお金を貸す可能性は低くなるでしょう。これはまさに金融機関が管理している、顧客の借り入れ状況をもとにした信用スコアと同様の役割を果たします。

 金融機関の担っていた機能を民主化する動きとして、金融機関からお金を借りるのではなくインターネット上でお金を借りたい個人(および法人)とお金を貸したい個人がマッチングし、お金の貸し借りをすることを「ソーシャルレンディング」と言います。
 矢野経済研究所の調査によると、2015年時点で322億円規模の市場があり、その後も大きな成長が見込まれています。
 ブロックチェーンやスマートコントラクトで、国内外問わず安価で送金が可能な暗号通貨を用いることで、より自由なソーシャルレンディングが実現する可能性があるのです。
(※ビットコインブロックチェーンは、現在、スマートコントラクトを実装していないため、上記の例のようなことはできませんが、将来的には可能となる見通しです。スマートコントラクトを実装したブロックチェーンとしては、「イーサリアム」が代表的です)。

文/森川 夢佑斗

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