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がん患者のQOLを考えるiPhoneアプリ『がんコル』。国立がん研究センターからResearchKit利用で

5/29(月) 17:01配信

エイ出版社

iPhoneを使って、多くのデータを集める新しい仕組み

iPhoneには『ReserchKit』という仕組みがある。医療用のデータを集めやすくするためのアプリを、医療従事者の人が開発しやすくするアプリの部品のような仕組みだ。

このReserchKitを使って、国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院(写真上)が『がんコル(QOL)』(http://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/gan_qol.html)というアプリを開発、リリースした(写真下)。

『がんコル』
(https://itunes.apple.com/jp/app/%E3%81%8C%E3%82%93%E3%82%B3%E3%83%AB/id1234444324?mt=8)

国立がん研究センターの近藤俊輔博士にお話を伺った

がんといえば、最も恐ろしい病気のように感じるが、同時に現在の日本人の死因のうちの3割を占めており、時期はともかくとして多くの人が関わる病気でもある。

毎年、なんと100万人ががんと診断されており、そのうち1/3が就労世代であるというから、まったく他人事ではないし、実はがんになってから、いかに働くか? いかに生活を維持できるか? また働いてもらうべきか? ということも非常に重要なことである。

がんになったら、即入院して治療に専念するのが望ましいのは言うまでもないが、そうできる状況にある人ばかりではない。また、入院に専念することばかりがその人のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を高めるのか? その人が成し遂げたい仕事があった場合それを継続する方法を考えた方がいいのか? では仕事はどのていど可能なのか? どういったサポートが大切なのか……? などの研究は、意外と進んでいないのだという。

多くの人が持つiPhoneのReserchKitはこういう研究に非常に役に立つ。これまで、毎日、病院から離れて就労している患者にアンケートを取ることなど不可能に近かったのに、このiPhoneのReserchKitを使ったアプリを使えば、何百、何千、もしかしたら、何万かそれ以上のデータだって集まる可能性がある。その大量に集まったデータは、過去に為しえなかった研究成果を生み出すかもしれないのだ。

がん患者は、その病気それ自体による肉体的/精神的苦痛に加え、放射線治療、抗がん剤治療、手術……などの治療による苦痛とも戦うことになる。その上で、どの段階においてそのようなQOLを実現可能なのかは、これまできちんと把握された国内のデータはないのだという。

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最終更新:5/29(月) 17:01
エイ出版社