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小児がんでも親子で宿泊、「家のような医療施設」

5/29(月) 14:23配信

オルタナ

小児がんを発症する子どもは毎年2000~2500人。入院生活では外部との接触が制限され、遊び盛りの時期を閉鎖的な空間で過ごすことになります。この状況を改善しようと、難病の子どもとその家族が一緒に滞在・宿泊できる「家のような」医療施設があります。(JAMMIN=山本 めぐみ)

「がんになっても、笑顔で育つ」

「家のような」医療施設を運営するのは、NPO法人チャイルド・ケモ・ハウス(兵庫県)。立ち上げたのは医師である楠木重範(くすき・しげのり)さん。自身も小児がんを発症し、入院・克服した経験があります。

医療技術が進化し、小児がんの治療も進むなかで、「病気だから」という理由だけで、思い切り遊んだり、家族と食卓を囲んだり、「できるはずのこと」ができないという従来のあり方に、憤りを感じていたと明かします。

「子どもたちは、病気になってただでさえ辛いこと、嫌なことがいっぱいある。がんになったことは不運なことかもしれないけれど、がんや病気であること以外は、他の子どもと何ら変わりなく、苦労せずに笑顔で過ごせる環境をつくりたいと思った」。チャイルド・ケモ・ハウス立ち上げの経緯について、そう話します。

まるで家のような医療施設

チャイルド・ケモ・ハウス内には、プレイルームなどの共有スペースのほかに、患者とその家族がプライバシーを気にせずに過ごせる19の個室があります。仕事で帰りが遅いお父さんのために、個室ごとに外から入れる玄関や、小さい子どもがハイハイの練習をしたり、付き添いの家族が寝そべることができる畳の部屋、お母さんが家と同じように料理でき、一緒に食卓を囲めるキッチンなど「家のような空間」があります。

「子どもたちにとっては、当たり前のことが、一番安心できる」。楠木さんは、そう話します。

家族とご飯を食べたり、遊んだり。かけがえなのない当たり前の日常を過ごすことで、子どもたちに自然と笑顔が生まれます。走ったり遊んだりして疲れたあと、お母さんの手料理を、家族みんなで食べられる。子どもに笑顔が増えるのはもちろん、必要な点滴の回数も減ってくるといいます。

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最終更新:5/30(火) 10:47
オルタナ

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