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韓国で人気沸騰!自動クリーニング機『LG styler』はなぜ売れているのか?

5/29(月) 6:40配信

@DIME

■自宅でドライクリーニングができるLG stylerとは!?

 ビジネスパーソンのみなさん。お勤めから帰った後、スーツやジャケットはどうしてますか? ハンガーに掛けておくのは一般的。イスの背に引っ掛けたり、飲んで帰ったらそのまま脱ぎっぱなしにして、翌朝シワシワで焦った…そんなこともあるはず。

【写真】韓国で人気沸騰!自動クリーニング機『LG styler』はなぜ売れているのか?

 LGエレクトロニクスの「LG styler(以下、スタイラー)」は衣類についたニオイやシワ、ほこり、花粉やダニなどを自宅で簡単にケアすることができる、「スチームウォッシュ&ドライ」という、今までにない家電。お隣の国、韓国では人気沸騰! スタイラーなしの生活は考えられない、そんなユーザーが急増中。家電店でも大々的に売り出しているのだ。

 黄砂、梅雨、PM2.5、夏の強い日差しなど、日本も衣類には厳しい国。だからこそ、自動クリーニング機、スタイラーは便利なはず。

 では、スタイラーとはどういう商品なのか? まだ見たことないって人も多いと思うので、さらっと機能をご説明しよう。

 スタイラーはLGエレクトロニクスが2005年から開発を始め、2011年に韓国をはじめとした世界各国で発売した商品だ。「リフレッシュコース」、「除菌プラスコース」、「上質乾燥コース」と3種類が用意されている。

 たとえばリフレッシュコースでは、水を加熱して発生させた蒸気を、「TrueSteamテクノロジー」により循環させて、庫内を一定の温度に保ちつつ、ニオイ成分の粒子を取り除くことができる。さらに、ハンガーラックの振動で衣類についたほこりや花粉などをふるい落とし、同時にシワも伸ばせるのだ。

 タッチパネルの操作だけでスーツや制服、コートなどが自宅で簡単にケアすることができ、花粉は99.5%除去、ダニやあれる物質は99.99%対策、大腸菌などの雑菌も99.99%除菌できるすぐれもの。また、NFC対応Android OSのスマホなら、アプリから機能を追加することもでき、IoT的使い方も可能となっている。

 ハンガーに掛けるだけではなく、ズボンはプレスして折り目(プリーツ)をしっかり残しながら、シワ取りもできちゃう。忙しいビジネスパーソンにとって、画期的ともいえる家電なのだ。

■韓国でなぜ、人気爆発したの?

 日本での想定売価は22万8000円前後(税抜)と、決してお安くはない。韓国での売価も似たようなもの。なのに韓国では爆発的なヒットとなり、全世界で月に1万台も売れている人気商品になった。なぜ、スタイラーはそんなに売れているのか? その理由を探ってみよう。
 スタイラーは2011年発売当初はあまり売れなかったという。新ジャンルの家電製品であり、サイズもある。しかも機能がマーケットニーズを満たしていなかった。そこで、LGエレクトロニクスは徐々に改良を加えていった。

 まず、第2世代ではパンツプレスを加えた。初期型ではシワ取り機能が強すぎて、ズボンの折り目まで取ってしまったからだ。

 そして、第3世代はヒートポンプ方式を採用して優しい乾燥を充実させた。シャツをハンガーに掛けたまま乾燥すると、シワがつかずに仕上げることができ、好評を博した。

 さらに、第4世代ではコンパクト化を実現。高さで11cm、幅で15cmもの大幅なシェイプアップを図った。

 最新の第5世代は、NFCに対応。スマートフォンでの操作を実現した。

 また、テレビのCMなどの方針も変更したのだという。発売当初は、あまりにも高所得層の共働き世帯へ訴求し過ぎてしまい、結果としてユーザーを逃していたというのだ。子供やお年寄りなどを含めた一般家庭が普段から気軽に使える製品として認知されると同時に、爆発的な人気となった。

■スタイラーってどのように使われているの?

 日本から韓国へ旅行した我々は、韓国の高級ホテルでスタイラーを使う…そんな機会があるかもしれない。

 韓国のウォールストリートといわれる汝矣島(ヨイド)に、ニューヨークスタイルの上品なホテルがある。それは「GLAD HOTEL」だ。

 こちらは全館で320室をもち、土地柄世界各国の政府関係者やエグゼクティブが多数利用するという。そのうち20室にスタイラーが設置されているという。

 利用客には大変好評で、「スタイラーのある部屋をお願いします」といった指名も多い。今後もスタイラーを設置する部屋を増やす計画になっている。

 では、韓国の一般的なユーザーはどのようにスタイラーを使っているのだろうか? 実際にスタイラーを購入して利用しているご家庭の様子をうかがってみた。

 まずは、保育園に通うお子さんをお持ちのナ・ジュヨンさんから話を訊いてみた。

 ナさんはメーカーで部長職を務めるキャリアウーマン。ご主人も営業職で忙しくする、共働き家族だ。ご主人は仕事柄接待などの機会が多く、週に2回もスーツをドライクリーニングに出さなければいけなかったそう。週に約2000円ほどもかかっていたため、スタイラーを知ったご主人が珍しく、自ら家電を欲しがったそう。スタイラーを購入した結果、かかる費用は1/4の週500円ほどとなり、手間もかからなくなった。

 以来3年間使い続けてきたが、4歳になる息子のホ・ユンソン君は最近、服の好みがはっきりしてきて、毎日同じジーンズなどをはきたがるそう。親としては清潔を保ちたく不安だったが、スタイラーを使えば除菌などができ、しかも洗濯しすぎで色落ちする心配もなくなった。今ではご主人はクローゼット同様に使い、息子さんも帽子などを気軽に「スタイラーしている」そうだ。

 続いて、韓国の「ゴールドミス」、チョ・ヨナさんに話をうかがう。

 ゴールドミスとは、独身キャリアウーマンのことを意味するのだそう。忙しく働くチョさんは仕事で帰宅が遅くなりがちで、週末にドライクリーニングへ行くのが精一杯だったそう。ブラウスのシワや黄砂の時期のアレルギーなどに悩まされていたが、今では化粧台の横に置き、毎日スタイラーしているそうだ。

 週末は外出することが多いチョさんは、Wi-Fiを使って遠隔操作をしている。日本のスタイラーはWi-Fi対応していないが、予約機能で代用できるとのこと。「家に居なくてもスタイラーする」のが、ゴールドミスならではといえるかも。

 最後に新婚家庭のキム・ドンヒョンさんのお話をうかがう。キムさんは共働き家庭。スタイラーがなかった頃は、スーツをベランダに干したり、除臭剤を使ったりして、会食で付い肉の臭いを消していたという。加えて奥さんはアレルギーに悩まされていたそう。

 それがスタイラーすれば簡単に除臭、除菌などができるから、今では毎日使っている。また、ワイシャツを乾燥機替わりに干したり、もはや手放せない家電になったんだとか。

■はたして日本でもスタイラーは売れるの?

 韓国のご家庭でスタイラーするのはもはや常識になりつつあるようだ。でも、日本での人気はこれから。そこで、LGエレクトロニクスの役員であり、H&A事業本部 アプライアンスB2B部門の部長、イム・サンム氏に日本での展開について話を訊いてみた。

 イム氏によると、スタイラーは2011年のリリースから人気が沸騰するまで、4~5年時間が掛かったという。機能面の不足やCM展開の曲折などが主な理由だが、そのノウハウを持ってすれば、日本ではもっと短い期間で人気家電として認知していただけるのではないか…そうイム氏は語る。

 というのも、スタイラーはまったく新ジャンルの商品であることで競合を避けられるというのだ。また、仮に競合が出てきたとしても、日本の自動クリーニング機市場はまだ、ゼロに等しく、競合と共に相乗効果で市場規模を拡大できるからだ。LGエレクトロニクスでは同様に「ツインウォッシュ」という上下2槽式の洗濯機を日本へ導入することも検討しているという。既存の市場へ向かうより、ゼロ市場で勝負する。世界の白モノ家電市場をリードする巨星、LGエレクトロニクスはどうやら本気のようだ。

 イム氏は来日する機会も多く、焼肉店や焼き鳥屋などで、日本のビジネスパーソンは外食中に煙を浴びる機会が多いと実感しているという。そして、韓国は飲食店では原則として喫煙はできない。これが、スタイラーにとって追い風になりうると考えているようだ。また、アレルギーや汚染物質などへの意識が高い国民性も追い風になる要素だとみなしている。

 今後、日本でスタイラーがどれくらいの人気になるかはわからない。だが、「スタイラーする」というコトバが当たり前になったら、普段の生活は確実に便利になるだろう。そんな可能性を秘めた家電であるのは間違いない。

文/中馬幹弘(ちゅうま・みきひろ)

@DIME編集部

最終更新:5/31(水) 19:00
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