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米利上げはすでに織り込み済み? 6月利上げの可能性と対策

5/29(月) 18:00配信

マネーポストWEB

 金利と相場は密接に関連している。そして当然のことながら、マーケットは常にアメリカの利上げに対して大きい関心を抱いている。しかし、「そもそもなぜアメリカは利上げをしようとしているのか?」その真意をきちんと理解しているトレーダーは多くない。

 そこで今回の記事ではFX(外国為替証拠金取引)のカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが、米国利上げの意図について解説する。また「次はいつ利上げされる可能性が高いのか?」、さらに「6月の利上げの有無によって相場はどのように反応することが想定されるのか?」といった疑問にも答える。

 * * *
 今月5月12日に、アメリカの「4月CPI(消費者物価指数)」と、「4月小売売上高」が発表されました。それぞれどちらもあまり良い数字ではありませんでした。CPIは前月比予想+0.2%に対して前月比+0.2%、前年比予想+2.3%に対しては前年比+2.2%となり、小売売上高は前月比予想+0.6%に対して前月比+0.4%でした。極端に悪い数字ではありませんが、微妙な数字だったと思います。

 では、なぜこのような結果になったのでしょうか?

 1つ要因として考えられることは、一昨年の12月からこれまでに3回行われている「利上げ」です。利上げに伴い、住宅や自動車など高額なものを購入する際に組むローンの金利も上昇しますので、住宅や自動車などを買い控える傾向が生まれます。そしてその傾向が数字として現れ始めている、ということです。

 もしかしたらこの話を聞いて、「えっ、だったら利上げしないほうが良いのでは? 高額品が売れなくなるのにあえて利上げする必要があるのか?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、利上げには明確な意図があります。

 もちろん、低金利状態が続けば続くほどローンを組む人が増えて、住宅などの販売が促進されることが想定され、それが消費を喚起し、経済を上向きにする効果があります。しかし一方で、その傾向が過熱し過ぎて、あまりに多くの人がローンを組んで住宅などを購入することになれば、家も土地もどんどん値上がりし、バブル状態になる可能性があります。

 だからこそ、そういったことが起こらないように、少しずつ金利が引き上げられているわけです。風船が膨らみすぎて破裂しないよう、適度に空気を抜いているようなイメージですね。

 思い返せば日本でも、1989年のバブル絶頂期に家や土地の価格が凄まじく高騰していました。私自身もちょうどその頃、家を買おうかと考え、3か所くらい家を見に行ったのですが、1週間かけて家族と相談しもう一度不動産屋さんに行くと、土地の価格が何十万、何百万円と価格が釣りあがっていた、といったことがありました。

 結局また新たに家を探し始めたのですが、その間さらに値上がりするという、本当に異常な状況にありました。しかし結局その後、バブルがはじけて今度は逆にあっという間に値下がりして……という結末を迎えたわけですけどね。

 そして今アメリカが必死にタイミングを見計らって利上げしようとしているのは、かつて日本が経験した、そのようなバブルを抑制するため、というわけです。

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最終更新:5/29(月) 18:00
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