ここから本文です

「脳とコンピューターをつなぐ」というFacebookの次なる野望に関するいくつかの疑問

5/29(月) 12:30配信

WIRED.jp

フェイスブックがVRの次に取り組んでいるのは、脳とコンピューターをつなぐ「ブレイン・マシン・インターフェース」だ。4月に行われた開発者カンファレンスでそのヴィジョンが語られたが、科学者たちはその実現可能性に疑問を呈している。

「電脳化」の実現を目指しているのは、イーロン・マスクだけじゃない

「自分の脳から直接タイピングできたらどうしますか?」とレジーナ・デューガンは言った。「不可能だと思われるかもしれません。しかし、それは皆さんが思うよりも早く実現するでしょう」

デューガンはかつて、米国防総省の先進的な研究部門である国防高等研究計画局(DARPA)の責任者だった。彼女はグーグルで働いたあと、「Building 8」と呼ばれるフェイスブックの研究所を率いている。2017年のフェイスブックの開発者カンファレンスでの基調講演が、彼女がフェイスブックの社員として行う初の公式スピーチとなった。

グーグルでは、モジュラー型スマートフォンと、身の回りのものを3D仮想世界に変換する方法を研究した。フェイスブックで彼女は、人間の脳のためのコンピューターインターフェースを開発している。

現実というよりSFに近い

デューガンのスピーチは印象的だった。特に筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性が登場した短いヴィデオでは、彼女はすでに思考でコンピューターのキーボードを操作していた。その後デューガンは、これまでに一度もつくられたことがないものを構築しようとするフェイスブックの「恐ろしい」取り組みの重要性を賞賛した。

「毎日、なぜ恐怖とも思えるような研究を行っているのでしょう?」と彼女は言った。「それは、驚異的なものをつくり出す恩恵を受けるための代償です」。しかし、このシリコンヴァレー的なメッセージを称賛する前に、DARPAとグーグルでの彼女のプロジェクトも、盲目的な信仰だったことに気づく必要がある。

「一方で、これらのアイデアが議論されているのは非常にエキサイティングなことです」。デューク大学の神経科学者、ミゲル・ニコレリスは言う。彼の研究室は、1990年代後半からブレイン・マシン・インターフェース研究の中心になっている。「しかし今回の発表は現実世界のリアリティに根ざしているというより、サイエンスフィクション(SF)に近いと言えるでしょう」

フェイスブックは、ヴァーチャルリアリティ(VR)、拡張現実(AR)、ブレイン・マシン・インターフェースのいずれであろうと、次の巨大なコンピューティングプラットフォームの競争に勝ちたいと考えている。アップルとグーグルは、スマートフォンの競争でマーク・ザッカーバーグに勝った。彼は再び負けるわけにはいかないのだ。

しかし、シリコンヴァレーの常だが、ブレイン・マシン・インターフェースの開発に取り組むには別のモチヴェーションもある。フェイスブックもまた、「世界によい結果をもたらすイノヴェイター」として認められたいのだ。多くの人が、この会社の影響力に疑問を呈しているときには特に。

1/3ページ

最終更新:5/29(月) 12:30
WIRED.jp

記事提供社からのご案内(外部サイト)

『WIRED Vol.29』

コンデナスト・ジャパン

2017年9月11日発売

630円(税込み)

『WIRED』VOL.29は1冊まるごとアフリカ大特集!「African freestyle ワイアード、アフリカにいく」南アフリカ、ルワンダ、ケニア etc