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世界卓球スタート。元女王「鬼の平野」が伝授する「卓球観戦のツボ」

5/29(月) 11:53配信

webスポルティーバ

 スポーツを伝える”言葉”を探求するライブ・イベント『A.L.E.14(エイル・フォーティーン)』──。その第4回(4月27日、東京・恵比寿のアクトスクエア)には、ロンドン五輪の卓球女子団体で銀メダルを獲得した平野早矢香氏がプレゼンターとして登場した。

【写真】プレー中の平野早矢香氏

 この『A.L.E.14』は、「GET SPORTS」(テレビ朝日)や「筋肉番付」(TBS)など数多くのスポーツ番組の企画・構成を手掛けた伊藤滋之氏が、「あらゆるスポーツに共通する動きや思考を”言語化”し、スポーツを進化させたい」と構想し、スポーツを伝える”言葉”への思いに共鳴したスポーツジャーナリスト中西哲生氏とともに立ち上げたイベントだ。

 平野氏は全日本選手権の女子シングルで3連覇を含む5回の優勝を飾るなど、女子卓球界の第一人者として活躍。2016年に現役を引退し、現在は後進の指導にあたっている。今回のプレゼンでは、「私が5度の日本一になれた理由」として、現役時代にどのようなことを意識してプレーしていたのかを明かした。

◆プレーの合間、選手の仕草を観察

「ボールを打ち合っていない時間を制することで勝負に勝つ。これが私の卓球でした」と語る平野氏。その真意はこうだ。

「卓球において、実際にプレーしている時間は(試合全体の)19%しかありません。そのプレー以外の間、選手たちはどのように過ごしているのかといえば、前のプレーを反省したり、次の作戦を練ったりしています。そして私が常に心掛けていたことは、相手の表情や仕草から心を読むことでした。ボールを打つパワーやスピード、テクニックにこれといって特徴のなかった私ですが、相手の情報を読み取ろうと、神経を研ぎ澄ませていました」

 そこで重要だったのが卓球というスポーツの特性だ。(卓球台の全長)2m74cmしかない相手との距離。これだけ近い距離だからこそ、”素(す)振り”“頷(うなず)き”“振り返り”など、わずかな仕草の変化を観察してきたという。

「失点をしたときに、選手が素振りをしているシーンを見たことがあると思います。これは反省をしながら、頭のなかで確認作業をしているのですが、無意識に次のプレーの動作が出てしまっているんです。そこから相手の打ち方を想像し、対策を練っていました。たとえば、フォアハンドで素振りをしているなら、フォアハンドで打ちにくいコースに攻める。素振りやラケットの角度、振り出す方向を見て、相手の攻めを予想していました」

“頷き”と”振り返り”については、次のように説明した。

「選手が頷くのは、『これでいい』と思ったり、自分の不安を隠すためだったり、様々なシチュエーションがあります。また、ベンチを振り返るのは、アドバイスがほしいときに多く、不安の現れのひとつとも言えます。それらの仕草を見て、弱気な姿勢が見えたときには一気呵成に攻めていました」

 このように、プレーの合間に相手を観察するようになった理由について、平野氏は次のように語った。

「中学や高校のときから、同世代には世界のトップになれるだろうなという選手がたくさんいました。そのなかで戦おうと思ったときに、相手を崩すことにすごく意識が向くようになりました。選手によってはまったく表情を変えない人もいますが、それでも無意識のうちにちょっとした仕草が出たりします。目線が上にいったり、一点を見つめたり……。実際、私も自分を落ち着かせるために天を仰ぐクセがありました(笑)」

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