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【U20】久保建英、これまで以上にかかる期待。切れ味鋭いジョーカーが躍動する好機

5/29(月) 12:42配信

フットボールチャンネル

 U-20W杯グループステージを突破したU-20日本代表は、30日の決勝トーナメント1回戦でベネズエラと対戦することが決まった。これまでの3試合で全勝、10得点と圧倒的な強さを見せつけてきた南米の雄を打ち破るべく、15歳の久保建英がゴールへの決意を新たにしている。(取材・文:元川悦子【天安】)

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●日本、決勝T1回戦は中2日で3戦全勝のベネズエラと対戦

 27日のU-20W杯グループステージ最終戦・イタリア戦(天安)を堂安律(G大阪)の2発によって2-2で引き分け、第一目標だった16強進出を決めた日本。D組3位通過となり、決勝トーナメント1回戦の相手はB組首位・ベネズエラに決定。試合は30日17時から大田ということで、日本は移動を伴う中2日の戦いを強いられることになる。

 相手は中3日と1日休養が多く、2試合終了時点でいち早く突破を決めたため、26日の第3戦・メキシコ戦は余裕を持って戦うことができた。フィジカル・メンタル両面でも日本がより厳しい状況なのは間違いないが、チームの総合力と団結力を発揮して高い壁を超えていくしかない。

 そんなU-20日本代表は28日午前、天安市内で約1時間半のトレーニングを行った。イタリア戦に先発出場した堂安や岩崎悠人(京都)ら11人はこれまで通り室内調整となり、グランドに姿を現したのは波多野豪(FC東京)、山口瑠伊(ロリアン)、板倉滉(川崎)、藤谷壮(神戸)、舩木翔(C大阪)、坂井大将(大分)、三好康児(川崎)、久保建英(FC東京U-18)、高木彰人(G大阪)の9人。

 フィールドプレーヤーの中で出場時間が少ない高木だけは心肺機能維持のため負荷の高い走りを消化したが、それ以外の8人はサッカーバレーやサッカーテニスを実施。チーム全体から明るく前向きな雰囲気が感じられた。

 この調子で次戦も勝利できればいいが、ベネズエラは非常に手強い相手。23日のグループステージ第2戦・バヌアツ戦(7-0で大勝)を大田で現地視察したという日本サッカー協会の木村浩吉テクニカルディレクターは「ベネズエラはまずGK(ウイルケル・ファリネス=1番)がすごくいい。決して高さはないが、バネと判断力があって、今大会では1~2番の能力を誇っている。国の情勢がよくないということで、選手たちは海外に出るため凄まじいアピールをしている」と話したが、3試合で10得点無失点という数字はやはり脅威に他ならない。

●ジョーカー久保にはチャンスか。主将は弱点を分析

 イタリア戦は後半立ち上がり早々に堂安の2点目が入ったことで出番なしに終わった久保も、次戦へのモチベーションを高めている。ベネズエラに対しては「相手はグループリーグを1位で突破して、3月に自分たちがやったドイツに2-0で勝ったんで、ちょっとビックリした。試合を見るにつれてホントに強いと思う。サイドに速い選手がいたりとか、前に速いチームというのが印象的だった」と警戒心を隠さない。個の高さで大きく上回る相手と日本はどう対峙していくのか。そこがベネズエラ戦の重要テーマのひとつになってくる。

 坂井は2013年U-17W杯(UAE)でベネズエラと対戦した経験があるという。その時の日本は2-1で勝ち星を手にしている。

「しっかり相手を動かせば後半になってスペースが空いてくる印象があるので、最初はボールを回して相手を疲れさせることが大事かなと思います」とキャプテンは冷静に分析していたが、そんな展開に持ち込めれば理想的だ。

 そのためにも、グループステージ3試合で続けざまに犯した守備のミスを絶対に繰り返してはいけない。ここまでの3試合は先に失点しても何とかリカバーできたが、一発勝負の決勝トーナメントは失点が命取りになりかねない。相手を焦らせ、集中力を奪うべく、今度こそピリッと引き締まった入りを見せることが肝要と言っていい。

 そうなれば、久保という切れ味鋭いジョーカーが躍動するチャンスも広がってくる。「一発勝負は決めないと勝てないので、ゴールにつながるプレーを出していかないといけない。ここからは悔いの残らないように、チャンスがあれば全力で戦いたいと思います」と本人もゴールという結果により強いこだわりを持ってプレーするつもりだ。

●FW陣にはこれまで以上の重責。久保にかかる期待

 小川航基(磐田)という絶対的エースをケガで失った今、日本には違った得点源が必要だ。イタリア戦で華麗な2発を決めた堂安が風穴を空けたものの、次の試合は凄まじいマークに遭うだろう。仮に堂安が封じられた場合、岩崎や田川亨介(鳥栖)、久保らアタッカー陣は今まで以上に得点の重責を背負わなければならなくなる。堂安から強い刺激を受けたという久保自身も自らの役割をよく理解している。

「4人でFWを回していた分、3人だと1人ひとりの負担は重くなるけど、このチームは誰が出てもホントにいいところまでいけると思ってます。小川選手がいなくなったのは結構大きな痛手ですけど、ここで弱気になってもしょうがない。残ったメンバーで全力で戦えればいい」とあくまで強気の姿勢を押し出していく構えだ。

 ここまで2試合のピッチに立ち、21日の南アフリカ戦(水原)で1アシストを記録した久保だが、持てる能力の全てを出し切ったわけではない。もちろん2世代飛び級の難しさはあるが、ここで全てを出し切らなけれは、本人が言うように悔いの残る大会になってしまう。

 ベネズエラ戦ではどのタイミングで内山篤監督から呼ばれるか分からないが、とにかくゴールに直結する結果を残すことが全て。久保建英の次戦での鮮烈なパフォーマンスに強い期待を寄せたいものだ。

(取材・文:元川悦子【天安】)

フットボールチャンネル編集部

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