ここから本文です

【総体】水面下で争奪戦!? プロスカウトが熱視線を送る神村学園の絶対エース

5/29(月) 6:30配信

SOCCER DIGEST Web

ついにこじ開けた全国大会への重い扉。

 神村学園のMF高橋大悟(3年)は、「観ていて楽しい選手」という表現がピッタリの逸材だ。
 
U-14日本選抜に選ばれるなど附属中学時代から注目を集めてきた。最大の魅力は、センスが存分に詰まった左足だ。高校デビューとなった2年前のプリンスリーグ九州・開幕戦ではいきなり4点を奪い、非凡な得点力を披露。滑らかなドリブル突破も武器で、相手DFをいとも簡単に手玉に取る。
 
その能力の高さを証明するように、今年に入ってからJクラブのスカウト陣がこぞって鹿児島に足を運んでおり、すでにいくつかのクラブはラブコールを送っている。
 
実力的に、世代トップクラスなのは間違いない。だが、高橋には決定的に欠けている部分があった。全国大会での経験と活躍だ。
 
1年目のインターハイは予選決勝で延長戦の末、鹿児島実に敗北。冬の選手権予選は鹿児島城西に0-1で惜敗した。続く2年目も全国の舞台は遠く、インターハイは予選4回戦で敗れ、選手権予選は再び鹿児島城西の後塵を拝した。
 
 とくに「一番の親友と言ってもいいくらい、仲が良い。小学校4年生の時に、(生まれ育った)屋久島以外で初めてできた友だちがアイツだった」という鹿児島城西DF、生駒仁(3年)との因縁は深い。高校で3度の全国大会出場を果たし、世代別代表まで登り詰めた生駒に対し、全国未経験の高橋には日の丸を背負う機会も訪れなかった。
 
ただ、全国に立てなかった悔しさが彼を一回り大きくしたのも事実だろう。成長速度を一気に高めたのは、昨年度の選手権予選だ。「先輩たちを勝たせることができず、悔しかった。もう周りに悔しい想いをさせたくないから、どの試合でも決定づけられる選手になりたい」。そう誓った彼は、自己改革に励んだという。

【PHOTO】日本サッカーを彩る美女サポーターたち

改善されたのは「パスの質」と「右足」。

 ひとつは、パスの質向上。「自分も活きながら、味方も活かせるようになれば相手にとって止めようもない選手になれる」と話す。これまではFWやサイドハーフでプレーしてきたが、今季からトップ下に配されたのも影響しているのだろう。自慢のドリブルに加え、新たな武器に磨きをかける。
 
 もうひとつは、苦手としていた右足の改善だ。高橋は「選手権予選決勝で右足シュートを外してしまったのが悔しくて、ちょっとずつ右足シュートの練習をしている。いままでは右足でシュートが撃てても左足に持ち替えていたけど、いまは右で撃つ恐怖がなくなった」と打ち明ける。
 
「活躍を見せる舞台が県と全国ではまったく違う。全国で活躍するのが今年の絶対条件だと思う」と、そう意気込んで挑んだ今回のインターハイ予選。大会序盤こそ守備を固めた相手に苦しんだが、山場を迎えた準々決勝以降は大暴れ。2得点・3アシストの活躍で樟南を下す立役者になると、続く鹿児島との準決勝ではCKを直接決めて、全国行きに王手をかけた。
 
 準決勝で鹿児島城西が敗れたため、生駒とのリベンジマッチにはならなかったが、決勝では「仁の分まで」という想いを胸に躍動。自ら決勝ゴールを奪い、初の全国行きを手繰り寄せた。
 
 決して順風満帆とは言えなかった日々を経て、悔しさをバネに、一歩ずつ着実に成長を遂げてきた高橋大悟。全国にその名を轟かせ、またひとつ上のステージへ──。日進月歩の進化を続ける。

取材・文:森田将義(フリーライター)

最終更新:6/5(月) 17:26
SOCCER DIGEST Web

Yahoo!ニュースからのお知らせ