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「モチベーター」呂比須監督は、窮地のアルビレックスを救えるのか

5/30(火) 7:50配信

webスポルティーバ

 5月に入り、アルビレックス新潟は三浦文丈監督を事実上、更迭している。理由は成績不振。開幕以来10試合でわずか1勝と、降格圏に沈んでいた。そして11日にはブラジルのクラブチームを率いていた呂比須ワグナーを監督として招聘している。呂比須新監督はチームを救えるのか。

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 彼についての印象を訊ねると、選手たちは端的に答える。

「モチベーター」

 実はこれはふたつの意味に受け取れる。ひとつは士気を高めるのに長けたリーダー。もうひとつは士気を高めるしか術(すべ)がないリーダー。呂比須監督はどちらなのか?

 5月28日、仙台ユアテックスタジアム。スタンドでは腹の底に響いてくるような太鼓の音に、願いを込めたような声援が重なった。アウェーの新潟応援陣は、数では劣るものの、必死に選手たちを鼓舞した。

 新潟の選手たちは声援に支えられながら、ベガルタ仙台の攻撃に対し、体を張って忍び、耐えている。まるで辛抱することが使命であるかのように、ボールゲームを捨て、徹底的に守った。左サイドが火の車になりかけるが、水際で真ん中が踏ん張る。アタッカー陣も、ほとんど自陣内でのプレーを余儀なくされた。

「守りながらカウンターのチャンスを狙った」

 新潟のバックラインの中心にいた富澤清太郎は明かしたが、攻撃らしい攻撃はできなかった。富澤が水際で敵の進撃を読んで、食い止めるのが精一杯。前半終了間際、ようやく敵陣でボールを持ったチアゴ・ガリャルドがスルーパスを出すも、球足が長くなり、苛立ちから地面を蹴り上げた場面が象徴的だった。

 前半を0点に抑えられたのは僥倖(ぎょうこう)だったが、サッカーというスポーツはときに気まぐれだ。

 後半の62分だった。新潟は自陣でクサビのパスを富澤が後ろからつつき、カウンターからゴール前まで持ち運んだチアゴのラストパスは阻まれるが、相手に当たってこぼれたボールを、エリア内にいたチアゴが押し込む。新潟は相手のパスの乱れをつき、何回かカウンターの絶好機を作っており、プラン通りの戦いを遂行したと言えるだろう。

「前半は苦しみながら、ブロックを作って守ってカウンターを狙ったが、なかなか攻撃までいけなかった。後半はラインを上げ、パスコースを消し、カウンターで4、5回はチャンスを作れた。落ち着いていたら、もっと点が入ったはずだが」(呂比須監督)

 これで追い込まれたのは仙台の方だった。

「粘り強く、ボールを動かし続け、(パスに対して)顔を出そう」

 新潟とは対照的な指令を受けていた仙台の選手は、総攻撃を仕掛ける。渡邉晋監督はクリスラン、西村拓真という2人のアタッカーを投入。しばらくは“攻めては跳ね返されて“を繰り返したが、ボールを大事にしてきた実りを刈り取る時がきた。

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