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ホビーの街・静岡で見たドローン産業の可能性

5/30(火) 7:20配信

@DIME

静岡県静岡市で開催された『静岡ホビーショー』。これは最先端のホビー関連製品が一堂に会するイベントで、この分野では国内最大級の規模である。

【写真】ホビーの街・静岡で見たドローン産業の可能性

現代テクノロジーは、まさに日進月歩の勢いで進化する。その中でホビー製品は進化の最先鋒を担っている。人間、やはり仕事や学業よりも遊ぶことのほうが好きだ。最先鋒テクノロジーを広く周知させるためには、「それでどのような遊びができるのか」という角度から入ったほうが簡単である。

「遊ぶためのテクノロジー」からは、決して目を離してはいけない。

・静岡市と模型産業

これは戊辰戦争後、徳川最後の将軍徳川慶喜が江戸から駿府へ大勢の木工職人を引き連れたことに端を発する。家にしろ家具にしろ、木でモノを作るとしたら必ず余材が発生する。それを活かして木製模型が製造された。

太平洋戦争が終結すると、木材に比べてより精密な加工ができるプラスチックが台頭する。その中で模型業界の頂点に立ったのが、田宮模型だ。それまでは「子供のおもちゃ」に過ぎなかった模型に徹底したリアリティを加え、「大人の趣味」としたのだ。

だからこそ静岡市は、プラスチック加工に関しては世界最先端の技術を有している。それが次世代を象徴する製品の開発にも活用されているのだ。

・「自撮りドローン」の出展も

静岡ホビーショーは「プラモデルの展示会」という印象が強かったが、最近ではドローンの出展も行われている。

ドローンは間違いなく、今ある産業基盤を大きく変革させるものになるはずだ。ホビードローンを取り扱うハイテックマルチプレックスジャパンのブースには、際立って多くの来場者が詰めかけていた。

様々な製品がある中で、とくに注目を浴びていたのはフライングカメラ『AirSelfie』である。これは去年、クラウドファンディングサービス『Kickstarter』で大きな出資を集めたスマホケース一体型ナノドローンだ。

重量はわずか61g。自撮り撮影のために短時間飛ばすというコンセプトで、ドローンとして見るなら必要最低限の飛行性能しか有していない。だが、ポケットからいつでも取り出せるという手軽さがそれを充分補っている。日本では7月から一般販売されるそうだ。

・ドローン産業の可能性

静岡市は、最先端テクノロジーに対して必ずしもリベラルな態度で臨む都市ではない。

市役所は「ホビーの町」を強調するが、実際にドローンを所有している静岡市民はごく少数しかいないはずだ。つまり静岡市はあくまでも「製造する側」であり、「消費する側」としてアクティブかと言えば、やはり疑問符がつく。

「製造する側」として見ても、問題がある。

プラモデル製造の技術はドローン開発にも転用できるし、現にそれは行われている。だが、静岡市から世界的ドローンメーカーが登場しているというわけではない。自治体もとくにドローン産業の育成を後押ししているという素振りはない。

技術転用から一歩進んだ先へ踏み出し切れていない、と書けばまた語弊があるだろうか。しかし、そうでなければ今頃はDJIにも追随する企業が静岡市にできているはずではないか。

この状況を静観するか「もったいない」と思うか、結局は静岡市民の意識が今後への分岐点になるのだろう。

文/澤田真一

@DIME編集部

最終更新:5/30(火) 7:20
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