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【U20】“22人目の男”高木彰人にチャンス到来。実った努力の日々、ガンバ組からの刺激

5/30(火) 13:13配信

フットボールチャンネル

 U-20日本代表は30日、U-20W杯決勝トーナメント1回戦でベネズエラと対戦する。負けたら終わりの大一番に、これまでほとんど出場時間のなかったFW高木彰人が初先発することが濃厚となった。指揮官の抜擢を受けたストライカーは、ようやくめぐってきたチャンスに何を思うのか。(取材・文:舩木渉【大田】)

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●「自分だけ落ちたのは相当悔しかった」

 ようやくチャンスがめぐってきた。

 30日にU-20W杯決勝トーナメント1回戦・ベネズエラ戦に臨むU-20日本代表で、高木彰人が今大会初先発を飾る。

 元々は森島司の負傷により、大会直前に追加招集された高木。グループステージでは第2戦のウルグアイ戦(0-2で敗戦)の最終盤に数分間プレーしたのみ。控えGKの2人を除いてチーム内で最も出場時間の短い選手だった。

「もし自分のチームから(U-20代表に誰も)行っていなくて、自分が落選する感じだったら、悔しさもありますけど、また違った悔しさだったと思う。逆に今回チームから3人行って、自分だけ落ちたというのは相当悔しかった」

 W杯予選を兼ねていた昨年のAFC U-19選手権のメンバーから漏れ、W杯本大会も落選。「逆に(3人がU-20代表へ)行っている間、チームの方は人が少なくなっているということなので、自分は自分なりにチームで結果を出そうという気持ちで完全に切り替えていました」と語る。

 だが、森島が大会直前の国内合宿で負傷離脱し、思わぬ形で追加招集を受けた。所属するガンバ大阪でのプレーに頭を切り替え、リスタートを切っていたところでのチャンスに、“22番目の男”高木は燃えた。

「自分的にはこの大会に来た時、どのポジションでも結果を出そうと思っていました。追加招集という時点で持っているというか、(森島)司とかが怪我したのは残念でしたけど、ポジティブに考えれば自分が(W杯に)行けることにもなったし、そういうところも含めて結果を出してチームに貢献したい」

 ベネズエラ戦で、高木は岩崎悠人と2トップを組むことが予想される。今大会中、ずっと森島が務めるはずだった右サイドMFとして練習を積んできたところで内山篤監督から本職のストライカーとして大抜擢された。

●エース小川負傷で風向きが変わり…

 開幕当初は小川航基と岩崎の2人を軸に、15歳の久保建英と長身で高い身体能力が魅力の田川亨介の4人でFWのポジションを回していくことが想定されていた。しかし、グループステージ第2戦のウルグアイ戦でエースの小川が左ひざ前十字じん帯断裂と半月板損傷という大怪我を負い、チームを離れた。

 そこで内山監督は、出番がなく燻っていた田川をグループステージ第3戦のイタリア戦で先発起用した。そして今度は、同じように悔しさを募らせていた高木に、負けたら終わりの大一番でチャンスを与える。選手のモチベーションを喚起するマネジメントが光る。

 出番がなかったイタリア戦の翌日、高木は志願して強度の高い走りのメニューに取り組んだ。少しでも他の選手と同じレベルのコンディションを維持しようとする真摯な姿を、指揮官はしっかりと見ていたのかもしれない。

 本職であるストライカーのポジションで求められるのは当然ゴール。高木も「やっぱりFWだったら、より得点を意識してやっていきたいですし、本来のポジションということもあって、自分の良さを出していけたらと思います」と自身の役割をしっかりと理解している。

「自分がサイドでやっていたときも、FWの選手がどうやって動いているかを見ながらプレーしているところもあった」と、常にストライカーとして出場することも意識しながら練習してきたことで連携面にも不安はないと強調する。

 高木にとってもう一つの追い風は、下部組織時代から互いをよく知るガンバ大阪の選手たちが近くにいることだろう。ベネズエラ戦では堂安律と市丸瑞希がともに先発すると予想されている。「自分のプレーを一番よくわかってくれていると思いますし、自分もわかっているので、そのへんはいいコンビネーションでできたらいい」と、高木が語る安心感は本物だ。

●ガンバトリオへの期待。高木はチーム勝たせるゴール狙う

 G大阪から選出された選手たちは、イタリア戦でも好連携を披露した。決勝トーナメント進出をかけた重要な試合に先発した堂安、市丸、初瀬亮の3人は、右サイドで小気味よくパスをつなぎ、日本のビルドアップの起点になっていた。そのスムーズさはピッチ上で際立っていた。

 堂安も「右サイドの(初瀬)亮くんも含め、あの2人(市丸と初瀬)はうまいと思っているから自分は受け手になっていますし、すごいなと思って一緒やっていました」と、ガンバ勢への信頼を語った。

 ベネズエラ戦でも“ガンバトリオ”の躍動が見られるかもしれない。残念ながら右サイドバックの初瀬は先発から外れる模様だが、攻撃の起点となる市丸、崩しのアイデアを豊富に持つ堂安のサポートを受け、今度は高木が「受け手」として力を発揮する番だ。

 内山監督は前線の守備についても高木の貢献に期待を寄せ、高木本人も「みんなより走ろうという気持ちはあります。自分の持ち味が運動量だったりもあるので、そこは自分なりのプレーを出していければ」と、とにかく走って、攻撃にも守備にも力を尽くすつもりだ。

「チームでも立ち位置がよくないとうか、序列で言ったら低いし、その中でこっちに来ているので、こっちで結果出さないといけない。チームのためにも結果を出さないといけないと思うんで、自分が得点して勝つゲームができたらうれしい」

 決勝トーナメント進出を決める前にも、自身の置かれた状況について冷静に分析してた高木。チームの第一目標だった「ベスト16」はクリアし、ベネズエラ戦からは毎試合が集大成となる。1試合でも長く、このチームで戦うには高木のような燃えたぎるモチベーションを胸に宿したストライカーの覚醒が必要だ。

(取材・文:舩木渉【大田】)

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