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「ダンジョン化」する駅の救世主?Googleストリートビューに「駅構内ビュー」登場!

5/30(火) 16:20配信

HARBOR BUSINESS Online

 大きな駅で待ち合わせをするとき、駅にはたどり着いても待ち合わせ場所に着くまでに迷ってしまい遅刻してしまった経験がある人も多いであろう。

⇒【資料】Googleストリートビュー

 そういったとき、これからは「グーグルストリートビュー」が新たな救世主となるかも知れない。

 Google Japanは、4月12日より360度パノラマ写真閲覧サービス「Googleストリートビュー」において主要ターミナル駅構内のインドアストリートビュー配信を順次開始。これにより、駅に行く前に構内の「待ち合わせ場所」などを事前確認することができるようになったのだ。

※【ストリートビュー】駅構内ビューの配信第一号となった東京駅(丸の内南口ドーム)

◆ホーム散策から駅弁店探しまで

 Googleストリートビューは2007年に米国でサービスを開始。日本では2008年に開始され、大都市圏を中心に段階的に配信地域を拡大、2013年9月までに全都道府県をカバーした。

 その後も、自動車の立ち入りが困難な商店街や店舗内のストリートビュー、インドアビューの配信も開始され、無人島、海中、富士山頂など、普段は気軽に行くことが難しい様々な場所へとアクセスすることが可能になった。

※【ストリートビュー】新宿駅。他社間での乗り換えも体験可能

 まだ国内でサービスが開始されてから10年も経っていないということには改めて驚かされるが、今や日本国民で使ったことがない人は殆ど居ないと思われるほど、生活に密着したものとなっているのは言うまでもない。

※【ストリートビュー】東京駅ホーム。改札も通過でき、ホームのようすを見ることも可能だ。事前に駅弁屋さんの場所をチェック……という使い方も

 駅構内ビューの配信第一弾となったのは、東京駅(JR東日本)、新宿駅(JR東日本、京王電鉄、小田急電鉄、都営地下鉄)、名古屋駅(JR東海、名古屋鉄道、近畿日本鉄道、名古屋臨海高速鉄道)、京都駅(JR東海、JR西日本、近畿日本鉄道)の4駅。このほか、JR東日本は2015年より新幹線車内のインドアビューも配信しており、今後も主要ターミナルを中心に配信駅を拡大。都営地下鉄を運行する東京都交通局も、新宿駅(新宿西口駅、都庁前駅含む)を皮切りに、近く配信駅を50駅にまで拡大するとしている。

◆ダンジョン化する駅構内の解決策!?

 こうした駅構内ビューの配信が開始された背景には、東京オリンピック・パラリンピックを控え、増加する訪日外国人観光客に対して各鉄道会社が利便性向上を図りたいという思惑も大きいという。

 もちろん、殆どの鉄道会社のウェブサイトには自社ターミナル駅の構内案内図が掲載されている。しかし、その多くは日本語のみであり、まず外国人観光客がそうしたページに辿りつくのは至難の業だ。一方、グーグルストリートビューを活用すれば、多言語対応もお手のもの。どの駅がどの鉄道会社かなど調べることなく構内のようすを事前体感することができるうえ、乗り換えに便利な階段の場所や駅弁屋さんや駅そば屋さんがどのあたりにあるか、ということまでチェック可能だ。

 各社各路線が入り組む大都市のターミナル駅は、再開発による駅ビル拡張などもあり巨大化・複雑化しており、今や「巨大迷宮」「地下ダンジョン」と揶揄されることさえもある。今回の駅構内ビュー配信によって、日本国内のみならず、あらゆる地域からの鉄道利用客に対しての利便性が向上することは間違いない。

※【ストリートビュー】東京ステーションホテルは駅構内に先駆けて2012年よりインドアストリートビューを公開していた

 なお、こうした大きな駅では頻繁に改良工事が行われることが多いが、駅構内ビューは駅改良のたびに更新される訳ではないため、工事中の駅においては注意が必要だ。

◆活用方法広がるストリートビュー、「疑似ショッピング体験」も

 駅構内ビューのように、日本国内で「公道外」でのGoogleストリートビュー公開が開始されたのは2009年のこと。そのきっかけは、Google Japanが提携した事業者の施設内に配信対象範囲を広げる「パートナープログラム」を始めたことだった。

※【ストリートビュー】立命館大学びわこくさつキャンパス

 例えば、2010年からはこのパートナープログラムを利用するかたちで九州大学、立教大学、立命館大学、APUなどの一部大学が受験者や来校者のサポートを目的として構内施設のストリートビュー配信を開始。2017年現在は、国公立・私立問わず100以上の大学がキャンパス内でのストリートビュー配信を行っている。

※【ストリートビュー】九州大学別府病院

 また、イオン、セブンアンドアイ、丸井、パルコ、三菱地所、東急不動産、JR九州などは、自社の一部商業施設においてインドアストリートビューの配信を開始しており、店舗に来店することなく「疑似ショッピング体験」を味わうことができる。

※【ストリートビュー】「イオンモール岡山」(岡山市)では地下2階から屋上まで全館での疑似買物体験が可能。開放的な吹き抜けでは各種イベントが開催されることもある。事前散歩をしておけばイベント観覧もバッチリだ

 こうした大型店のインドアストリートビューは、例えば「好みのショップが入っているデパートを見つけたけれどショップの規模や雰囲気が分からない」という時や、「ショッピングセンターで行われるイベントに参加したいが何処から見ればいいのか分からない」という時などにも活躍しそうだ。

 Google Japanでは2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震発生直後から被災地の記録も行っており、2014年に導入された過去のストリートビューとの比較ができる「タイムマシン機能」と合わせて震災前との比較も出来るようになった。

 また、とくに大都市圏では再開発によってかつての街並みが数年で一変することは往々にあり、この先、ストリートビューのアーカイブ性はさらに大きな意味を持つものになろう。

 次の休みには、今一度「Googleストリートビュー」でまだ見ぬ街へと、そして見慣れた街の過去へと旅立ってみてはどうだろうか。

【都市商業研究所】

若手研究者で作る「商業」と「まちづくり」の研究団体。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitterアカウントは「@toshouken」

※都商研ニュースでは、今回の記事のほかにも下記のような記事を掲載中

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最終更新:5/30(火) 19:18
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