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母の日・父の日のプレゼント制作は“あり”?“なし”? 家庭環境への配慮で実施を控える保育施設も

5/31(水) 15:13配信

オーヴォ

 5月のある日、ふと思った。「あれ? 今年は5歳の末っ子が母の日のプレゼントを持ち帰らなかったな。去年はどうだったかな!?」。中高生になった上の子たちが小学1年生ぐらいの頃は、小学校でも「父の日」、「母の日」制作があり、新鮮に感じた記憶があるのだが、同じ小学校でも今はやっていないようだ。ひとり親家庭の子に配慮し、「母の日」、「父の日」にちなんだイベントやプレゼント制作が減っているという話も耳にしたことがある。6月の父の日を前に、周りのママたちや保育士さん、学校の先生などに現状を聞いてみた。

理屈なしにうれしい「ありがとう」のプレゼント

 今年の母の日。「私立幼稚園に通う4歳の娘が、お花紙で作った花束をプレゼントしてくれました(北海道在住Sさん、30代)、「保育園に通う2歳の息子が、子どもの写真付きの紙製のカーネーションの花束を持ち帰ってきました」(山形県在住Nさん、20代男性)。「毎年母の日に、小学校で作成する手紙のプレゼントがあります。1年生の頃は短い手紙でしたが、6年生の今年は、画用紙をハートで切り抜いて装飾し、その中にメッセージカードが貼り付けてある凝った作品でした」(北海道在住Sさん、40代)。子どもが「いつもありがとう」のメッセージとともに持ち帰るプレゼントは、理屈なしにうれしいものだ。

園によっても、園長先生によっても対応はバラバラ?

 一方、こういうイベントを一切やらない園もある。世田谷区の公立小学校に小2の長男が通うMさん(40代)は、私立認可保育園に通っていたときにも、現在の小学校でも「母の日、父の日のプレゼントを持ち帰ったことは一度もありません」という。ただ、同じ区内の別の私立認可保育園に通う3歳の次男は、今年初めて母の日のプレゼントを持ち帰ってきた。Mさんは、その園で今年から始まった理由を「園長先生が変わったからかな」と推測。「初めて母の日のプレゼントをもらい、確かにうれしいと思いました。でも、園としてのポリシーがないのでは?」とも感じたという。

 13歳長男、10歳長女、3歳次男がおり、杉並区内の認可保育園や公立小学校を経験してきているT(40代)さん。園や学校で母の日や父の日の制作をしてきたことは子どもたち3人を通して1度もないという。Tさんは「小学校では実施していた時期もあるようですが、シングルマザーのご家庭や児童養護施設から通うお子さんが少なくない時期もあり、そういうイベントをしなくなったと聞いたことがあります」と話す。

 都内公立子供園の先生は、「以前は公立幼稚園でもプレゼント制作をしていたけれど、最近は減っています。でも、対応を統一しているわけではなく、園によっていろいろですね」と話す。

小学校は実施しない傾向も?

 都内の公立小学校の40代の女性教諭は、「さまざまな形態の家庭が増えている中、たぶん多くの小学校では、父の日、母の日の制作などはしていないはずです」という。母の日や父の日はあくまでイベントだと指摘し、「学校としては、家族への感謝を伝えることは、イベントや時期に関係なく伝えていきたいですね」という。今回話を聞いたママたちの中からも、「母の日イベントは幼児期を過ぎると、“やらされている感”が出てくるのでは?」という意見もあった。

「母の日」と「父の日」の間をとって「ありがとう制作」

 水戸市の40代女性保育士が勤務する私立認可保育園では、「母の日」と「父の日」の間を取って5月31日に「ありがとう制作」と題する家族へのプレゼントを持ち帰るという。小さな子どもたちに感謝の気持ちを伝える経験をしてもらおうという趣旨で、母子家庭や父子家庭の子にも配慮した形でプレゼント制作を実施。内容は、各学年の担任が決めている。小さいクラスの子は手形や足形、大きなクラスの子になると雑巾を縫ったり絵を描いたりするそうだ。

 この女性保育士は「プレゼントは、もらえばうれしいものだし、相手が喜ぶ姿を見て、子どももうれしくなるんじゃないかと思います。そう考えると“〇〇の日”って、そんな他者の気持ちに気づく良いきっかけになるかもしれませんね!」と話す。

大切なのはふだんから気持ちを伝え合うこと

 国民的イベントになっている「母の日」、「父の日」。幼稚園や保育園、小学校などでの集団の場でのプレゼント制作などについてはさまざまな意見があり、もちろん、是非が決められる性質のものでもないが、ひとり親家庭に配慮した上で行っているところもあるようだ。思いを伝えるきっかけ作りとしてのイベントの役割というのも見過ごせない。

 そしてあらためて感じたのは、大切な人とふだんから気持ちを伝え合える関係の大切さ。さて、自分はどうだろうか? 頭では分かっているつもりでも、お手伝いをしてくれたり下の子を見てくれたりする上の子たち、日々元気に過ごしてくれている子どもたちにちゃんと感謝の気持ちを示せているだろうか? うーん、バタバタと過ごす毎日の中でおろそかになっていることがあるかも! 実は我が家は半年前に父親を病気で失った、ひとり親家庭。この立場だからこそ一層、家族が普段から気持ちを伝え合える関係を大切にしていきたいと思った。もちろん、いろいろな楽しいイベントも利用しながら。

最終更新:6/1(木) 9:22
オーヴォ