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教育にカネ惜しまぬ大富豪 家庭教師に年360万円

5/31(水) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 大富豪と呼ばれる人たちがいる。多額の富を保有する彼らのお金に対する考え方は、いったいどのようなものだろうか。かつて金融資産10億円を超える大手顧客を対象とした野村証券のプライベートバンク部門で辣腕をふるったZUU社長兼CEO(最高経営責任者)の冨田和成氏が、大富豪が実践する「お金の哲学」を解説する。

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 大富豪にとって子女教育は非常に大きな課題であり、そこにかけるお金も高額になる傾向があります。例えば、先日会食した経営コンサルタントの方は、お子さんのためにカリスマ家庭教師をつけているそうです。その費用、なんと年間360万円。

 その先生は、勉強自体を教えることよりも、勉強の面白さを教えることにかけてのプロ。一度勉強の面白さを知った子供は、あとは勝手に勉強するようになるそうです。超富裕層向けらしいですが、予約が殺到しているとのことです。

 特に子女教育に熱心なのはオーナー経営者たちで、子女教育の成果はそのまま事業継承や、そうでなくとも自分が死んだ後の相続に直結します。

 例えば、地方の地主が亡くなったとします。資産の大半は流動性の低い土地や不動産。しかし、相続税の原則は現金払い。不動産に買い手が付かなければ、現金が底を突きます。

 相続税率が最高で55%という世界的に見ても高い日本では、毎年約50兆円規模で相続が発生しており、時には“相続破産”という悲劇が起こっています。仮に相続税が払えたとしても、子供や孫に自ら稼ぐ能力がないと、資産は3代で食い潰されるといわれています。

■何より環境がものをいう

 努力して財を成したからには、自分の子供たちが食べていけるようにしたい。それこそ、親心です。だから子供の教育にはできる限りお金をかけ、一流のビジネスマンに育てようとするのです。

 名門学校での英才教育やインターナショナルスクール、ボーディングスクール、そしてMBA(経営学修士)。また、そうした学校に行くための一流講師による個別指導。もちろん、子供の友達付き合いを重視して住む場所を替えることもあります。

 自立した人材に育てるには何より環境がものをいいます。米ハーバード大学卒が常に引く手あまたなのは、テストの成績が良いからではなく、世界から集まった秀才と過ごした経験に価値があるからです。インターナショナルスクールが人気なのは、ダイバーシティーを幼い頃から感じることができるからです。

 こうした環境づくりに数千万円かかろうとも、資産をしっかり引き継ぎ、それを元にさらに大きくしてくれれば、長期的には利回りは何十倍、何百倍にもなります。

 子供への投資は、自分への投資でもあるのです。しかも、子供に対する投資なら回収期間はどんな投資よりも長くなります。

 少子化が進んでいるものの教育業界の市場がいまだに減速していないのは、親が子供にかけるお金の額が上がっていることを物語っているのです。

冨田和成 ZUU社長兼CEO。一橋大学在学中にIT分野で起業。卒業後、野村証券プライベートバンク部門で活躍。退職後にZUUを設立し、国内最大規模の金融ポータルメディアZUU onlineなどフィンテック分野で事業を展開中。

[日経マネー2017年6月号の記事を再構成]

最終更新:5/31(水) 7:47
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