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『小さな巨人』 「倍返し」級の流行語を生み出せるか? 

5/31(水) 7:00配信

NEWS ポストセブン

 7話までの平均視聴率は13%を超え、今クールのドラマでもっとも注目を集める作品のひとつ『小さな巨人』(TBS系)。同じ日曜劇場で放送されていた『半沢直樹』ともたびたび比較されているが、『小さな巨人』の好調の理由はどこにあるのか? コラムニストのペリー荻野さんが解説する。

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 そんなわけで、後半戦ともいえる「豊洲署編」が始まった『小さな巨人』。早明学園の屋上で現役警部の江口(ユースケ・サンタマリア)が殺害される。江口は、政治家ともつながる学園の不正経理を内偵捜査していた。6000万円も横領していたとされる学園経理課長の横沢(井上芳雄)が容疑者とされるが、所轄の豊洲署の警部香坂(長谷川博己)は学園の専務で元捜査一課長富永(梅沢富美男)を疑う…。

 とにかく出てくる人物全員が口をへの字にした怖い顔というこのドラマ。観れば「日曜劇場」のヒット作『半沢直樹』『下町ロケット』などを意識しているのが、よくわかる。中でも際立つのが、3つのポイントだ。

 第一のポイントは、異業種陣VS俳優陣の対決構造。前半の「芝署編」では、誘拐の被害者で裏の顔を持つ大手企業のトップに桂文枝。その企業の顧問弁護士に堀尾正明、捜査情報を漏らすばかりか、証拠隠滅まで謀る“裏切り者”署長に春風亭昇太、「豊洲編」では、不正の親玉(?)にも見える学園理事長に和田アキ子。香坂たちの「敵」に、落語家、キャスター、歌手と異業種キャストが勢ぞろい。

 これは『半沢直樹』で歌舞伎の片岡愛之助、ミュージカルの石丸幹二、『下町ロケット』で東国原英夫、春風亭昇太を敵方に配置した構図を踏襲している。
 
 第二のポイントは、ますますヒートアップしていく捜査一課長小野田(香川照之)の歌舞伎調の演技だ。『半沢直樹』では、主人公の一番の大敵として最後の最後に追い詰められ、土下座する場面で、ぐ、ぐ、ぐぐぐとたっぷり芝居を見せた香川。『小さな巨人』では、アップになるたびに見得の如く、にらみをきかせ、腹の底から「謝ってすむ問題ではなぁい!!」などと大音声を発する。まるで歌舞伎の迫力。はいてないのに袴をはいているように見える。

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