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三浦九段と将棋連盟が和解も「慰謝料は誰が払う」問題発生

5/31(水) 16:00配信

NEWS ポストセブン

 14歳の藤井聡太四段の快進撃に沸く将棋界の抱えていた“難題”は、これで解決したのだろうか。対局中のコンピューターソフト不正使用を疑われた三浦弘行九段が昨年10月に竜王戦への出場停止処分を受けた問題で、5月24日、将棋連盟は三浦九段に慰謝料を支払うことで合意したと発表。

 第三者委による検証で不正が確認されなかったことを受けての合意であり、同日、連盟の佐藤康光会長と三浦九段は記者会見で顔を揃え、笑顔で握手。“和解”をアピールした。ただ、第三者委が結論を出したのは昨年12月末。合意までに5か月もかかった。

「まず、慰謝料の額の折衝に時間がかかった。三浦九段が出場できなかった竜王戦は、挑戦するだけで1600万円、タイトル獲得なら4000万円の賞金がある。補償額は2000万~3000万円程度と考えられます」(現役棋士の一人)

 今回の会見では、三浦九段に支払われる慰謝料の額は「非公表」とされた。

「数千万円というカネは連盟には大金。実はそれをどう捻出するかこれからの大問題なんです。佐藤会長は会見で原資について『現状では将棋連盟の予算からと考えているが、高額なのでこれから議論する』と言葉を濁しました」(同前)

 連盟の処分が誤っていたために支払う慰謝料なのに、連盟の予算以外から出す選択肢があるのだろうか。

「執行部が懸念しているのは、会員である棋士たちからの反発です。三浦九段の処分を進めたのは執行部ら一部の棋士なのに、連盟全体の予算を使うのはおかしいという不満が根強い。責任の所在を明確にするために、三浦九段の疑惑の告発者にあたる渡辺明竜王に慰謝料を負担させるべきと主張する人たちまでいます。だから、佐藤会長はわざわざ“原資はこれから議論する”という慎重な言い方をしたのでしょう」(同前)

 このタイミングで軽率に具体的な金額と原資を明言してしまうと、一気に連盟の内紛へ発展する可能性があるというわけだ。

「特に、三浦九段を処分した当時の執行部の解任に積極的に動いた一部の棋士は、今回も強い反発を示すだろう。連盟の決定を、棋界全体が固唾を呑んで見つめているのです」(連盟関係者)

 そこを乗り越えて、棋界はようやく正常化に至ることになりそうだ。

※週刊ポスト2017年6月9日号