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広告なら、社会問題をぜんぶ解決してくれんじゃね?:失業中コピーライター(56歳)の告白

5/31(水) 7:10配信

DIGIDAY[日本版]

このコラムの著者、マーク・ダフィ(56)は、広告業界辛口ブログ「コピーランター(コピーをわめき散らす人)」の運営人。米BuzzFeedで広告批評コラムを担当していた業界通コピーライターだが、2013年に解雇を通達された。趣味のホッケーは結構うまい。

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ペプシが不安定な社会情勢に対する解決策を、モデル歩きドヤ顔で繰り出してくれたわけだが、ほかのブランドたちは一体何をグズグズしているのか。社会問題や大義名分を、ファッションのごとく軽々しく掲げる広告が流行りなんだから、これからの時代に乗り遅れないようにペプシの真似をして何か手頃な社会問題を見つけないといけない。

コカ・コーラは、コマーシャルでネットいじめを根本的に解決してくれたし(おそらくそのコマーシャルがYouTubeのページから消えたのも、いじめが地球上から消えたからだろう)、キッチン・ペーパーのブローニー(Brawny)はパッケージのタフな男のデザイン(金髪と黒髪、2パターン)を無くすことで世界にはびこる女性差別を根絶してくれた。ペディグリー(Pedigree)のコマーシャルのおかげでもはや人種差別なんて過去の遺物となった。そして忘れてはいけないのは、イスラエルとパレスチナの紛争を軽く解決してくれた、この広告もだ。

ハイネケン「まったく違う場所から」

そんなファッション社会運動に参加してくれたのが、ハイネケンだろう(素晴らしい!)。世界中で人類が抱えている社会分断の問題を4分ちょっとで解決している。ハイネケン最新の「オープン・ユア・ワールド(Open Your World)」広告では(映画ではない、広告だ。繰り返し言うけど)政治的に真逆の意見を持つ人々をつなげてくれた。ストーリーが進んで刑務所のブザーが大きく鳴るにつれて(なんでかは分からない)、「逆の意見を持つ」人々はお互いをつなぐ共通項を見つけはじめる。やったね! きっとまず全員をグデングデンに酔わせて、自分の意見や社会情勢なんて覚えてない状態にしてから撮影を開始したのかな。

アメリカには社会問題に取り組む巨大な非営利慈善団体の代表例としてユナイテッド・ウェイ(United Way of America)が存在しているが、ユニリーバはその営利版になろうとしているようだ。彼らの「ソー・ロング、オールド・ワールド(So Long, Old World)」キャンペーンがその再ブランディングに取り組んでいる。

女性用化粧品ブランドのダヴ(Dove)は女性の抱える心理的な不安をすべて完治してくれたわけだが、ユニリーバの男性用化粧品ブランド「AXE(アックス:イギリスではLynxというブランド名)」の9つのビデオ「メン・イン・プログレス(Men In Progress)」は、新しい時代の男性像を見事に提案してくれている。

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