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BMW『i3』VS日産『NOTE e-POWER NISMO』いよいよ実用的になってきた電気自動車対決

5/31(水) 6:30配信

@DIME

自動車業界全体が電動化に向かって加速している。いよいよ電気自動車の時代はやってくるのか? 最新技術を搭載した日本とドイツを代表する電気自動車2台をチェックした。

【写真】BMW『i3』VS日産『NOTE e-POWER NISMO』いよいよ実用的になってきた電気自動車対決

 電気自動車(EV)は走行中の排出ガスのない、最もクリーンなクルマだ。電池にためた電力でモーターを動かし、その力で走行する。しかし、電池の性能が十分でないため、1回の充電で走行できる距離が100~200km前後と、ガソリンエンジン車などに比べて短いのが弱点だった。そこでEVを開発しているメーカーは、様々なアプローチで航続距離を延ばす研究に力を入れている。例えば日産は、走行中の動力源は電池+モーターで、電池の充電量が足りなくなるとエンジンを始動させて充電する方式を『NOTE』に投入した。エンジンを搭載しているが、駆動のためではなくあくまで電池を充電するためのもので燃料(ガソリン)は消費するものの、充電用に使うためごく少量で済む仕組みだ。

◎電池性能がアップして航続距離が大幅に延びた『i3』

 BMW『i3』は2014年に登場した4人乗りのコンパクトカー。純粋に電池だけで走行するEVと、2気筒647ccのガソリンエンジンを搭載するレンジエクステンダー付きのEVをラインアップする。昨年秋に発表された改良型は電池の性能が大幅にアップし、電気だけでの走行距離が70%向上。これにより純EVは400km、レンジエクステンダー付きは500kmまで航続距離は延びた。これだけの距離を充電なしで走行できれば、十分足として使える。

 一方、日産が昨年11月に発表した『NOTE e-POWER』も電池とモーターで走行するEVで今回試乗したのはチューニングモデルのNISMO仕様。3気筒1.2Lエンジンを搭載しており、最高出力は79PS、103Nmだが、このエンジンは先述のとおり、走行用ではなく、電池の充電用。『NOTE e-POWER』はコンパクトカーであるため、構造的に電池容量が少ない。そのため急加速時など頻繁に電池を充電する必要があり、そのためのエンジンもある程度の排気量が必須だった。実際に走行すると燃費はメーター表示で23~41km/Lを記録。両車に共通しているのは走行モードが選択できる点で回生の強さや加速力が異なる設定になっている。『i3』は後輪駆動、『NOTE e-POWER』は前輪駆動だが、『NOTE e-POWER』のNISMO仕様の走りはかなり楽しかった。

◎航続距離が500kmまで延びた
BMW『i3 SUITE レンジエクステンダー』

Specification
■全長×全幅×全高:4010×1775×1550mm
■ホイールベース:2570mm
■車両重量:1420kg
■排気量:647cc
■エンジン形式:直列2気筒DOHC
■最高出力/モーター:38PS/5000rpm 170PS/5200rpm
■最大トルク/モーター:56Nm/4500rpm 250Nm/100~4800rpm
■変速機:無段変速
■燃費:24.7km/L
■車両本体価格:607万円

専用にデザインされたボディー。リアサイドウインドウやCピラーの処理は最新のデザイントレンドをうまく取り入れている。基本骨格は量産車で初めてCFRP(カーボン・ファイバー強化樹脂)を採用し軽量化を実現している。

全長は4mだが、全幅は1.8m近くある。全高は1550mmに抑えられており、都会の立体駐車場には収容可能。ボディーカラーは6色から選べるが、撮影車のブルーは今回のマイナーチェンジで加わった新色。

特徴的なのが装着されているタイヤ。撮影車はブリヂストンの『エコピアEP500』だったが、サイズが155/70R19というトレッドが狭めで大径サイズ。一見、頼りなさそうだがコーナリングは粘りがある。

◎実用的でコスパも高い
日産『NOTE e-POWER NISMO』

Specification
■全長×全幅×全高:4165×1695×1530mm
■ホイールベース:2600mm
■車両重量:1250kg
■排気量:1198cc
■エンジン形式:直列3気筒DOHC
■最高出力/モーター:79PS/5400rpm 109PS/6400rpm
■最大トルク/モーター:103Nm/3600~5200rpm 163Nm/4800rpm
■変速機:CVT
■燃費:24.0km/L
■車両本体価格:245万8080円

EVにスポーティーな仕様を追加するという、前代未聞のチャレンジを実践したところに、ここ数年見られなかった日産の元気さを感じる。この『e-POWER』を加えた『NOTE』は昨年11月の月間販売台数ランキングで総合1位となっている。

『NOTE』にはもともとNISMOバージョンがあったが今回、EVにもNISMOバージョンを投入。専用サスペンションやコンピューターチューンを施しており「やんちゃ」なEVに仕上がっている。

NISMOが手がけたEVはエコカーだが走りはチューニングコンパクトカーの領域。タイヤも195/55R16(※ヨコハマ『DNA Sドライブ』)を装着する。N/Sモードの走りはかなり過激だ。

〈完成度なら『i3』、コスパと満足度なら『NOTE e-POWER NISMO』〉

◎BMW『i3 SUITE レンジエクステンダー』

[運転性能]タイヤは細めでやや硬め。路面からのザラつきは伝わるがコーナリング性能はよくタイトコーナーでも負けない。18点

[居住性]室内高は余裕がありシート形状もいい。リアのドアが観音開きなので、後席の乗り降りは便利。19点

[装備の充実度]安全装備はもとより車載通信モジュール、公共充電サービスが12か月間無料になるサービスも付帯されている。19点

[デザイン]既存のクルマではなく『i』シリーズとして別デザインを用意。そのデザインもかなり時代を先取りしている。19点

[爽快感]特にスポーツモードは設定されていないがEVのトルクの立ち上がりのよさを生かした走りは楽しい。横風には弱い。17点

[評価点数]92点

◎日産『NOTE e-POWER NISMO』

[運転性能]『NOTE e-POWER』に乗るならやはりNISMOが楽しい。チューニングされたEVならハイブリッドより数倍運転を楽しめる。19点

[居住性]撮影車はレカロのバケットシートを装着していたがノーマルシートで十分。室内はすごく広い。18点

[装備の充実度]スマートルームミラーやインテリジェントアラウンドビューモニターは便利。踏み間違い衝突防止アシストも装備。18点

[デザイン]NISMOバージョンは専用装備が満載。ノーマル車のコンセプトを生かしながら迫力ある外観を実現している。17点

[爽快感]3つのモードの中でもSモードは特にEVの楽しさが堪能できる。ワインディング走行もかなり楽しい。19点

[評価点数]91点

【OTHER CHOICE】今年の東京モーターショーは電気自動車の新モデルが続々登場!?

 現時点で、電池+モーターで走行する国産EVは日産『リーフ』『e-NV200』と三菱『i-MiEV』の3車種しかない。以前はスバルの軽自動車『ステラ』をベースにしたEVやマツダの『デミオ』のEVがあった。

 一方、輸入車ではスマートが2人乗りの『フォーツー』をベースにしたEVを発売している。サイズはコンパクトで、1充電で180km前後走行可能だとメーカーは公表している。

 現在、テスラも5ドアセダンの『モデルS』とSUVの『モデルX』を販売しているが、どちらも800万円以上の高額車でなかなか手が届かない。今後、テスラはもう少しサイズが小さく、安価なモデルを投入すると噂されている。また、フォルクスワーゲンもEVの新モデルを開発しており、早ければ年内に何車種か上陸するかもしれない。一方、国産勢も日産が「e-POWER」をSUV系に展開する見込みだ。今秋の東京モーターショーには多くのメーカーがEVを展示すると目されており、ますます目が離せない。

文/石川真禧照

※記事内のデータ等については取材時のものです。

@DIME編集部

最終更新:5/31(水) 18:50
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