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学生の読書離れ、スマホが原因? 実は…

5/31(水) 18:10配信

NIKKEI STYLE

 大学生が読書をする時間が急減しています。全国大学生活協同組合連合会(大学生協連)の調べでは、昨年の大学生の読書時間は1日平均約24分となり、前年に比べ4分あまり減りました。2004年に調査を始めて以来、最短でした。1日の読書時間ゼロの学生が全体の49.1%に達し、こちらは過去最高です。調査対象は約1万人で電子書籍も含めています。

 「スマートフォン(スマホ)の普及が読書離れの原因」との見解をよく聞きます。12年以降にスマホを持つ学生が急増し、昨年は1日のスマホ利用がゼロの学生は1.3%です。大学生協連によると、読書ゼロの学生がスマホを利用する時間は1日平均で173分。読書が30分未満では140分、読書が60分未満では149分、読書が60分以上では156分という結果でした。

 大学生協連の真田隆裕企画室長は「読書ゼロの学生はスマホの利用時間が長いが、全体としてスマホ利用と読書の間に明確な関係は見られない」と説明しています。

 多くの大学関係者が読書離れの原因と指摘するのは、大学生の忙しさです。最近は大学が授業の出欠を厳しくチェックする傾向が強いこともあって、まじめに出席する学生が多い。加えて、生活費などの足しにしようとアルバイトに精を出す人が増え、「読書をする時間がない」というのです。

 一方、「忙しくても読書の時間はつくれるはず。大学に入る前に読書好きになっていない学生が多い」(根井雅弘・京都大学教授)と読書離れはもっと根が深い問題だとの見方もあります。

 大学生協連は1977年から97年まで読書時間が「ほとんどなし」の割合を調べています。77年は13.2%、86年は24.6%、89年は31.6%、97年は41.0%と80年代以降、急上昇しています。読書離れは長期的な傾向といえます。

 根井教授は80年代以降に広がった「実学重視」の風潮と読書離れの動きが関係しているとみています。「先輩や教員が読んでいる難しい本や、就職には関係がないけれど本当に自分の好きな分野の本を読む学生が減っている」と危機感を強めています。

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最終更新:5/31(水) 18:10
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