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MLBスカウトが分析。田中将大はメッタ打ちスランプから脱出したか

5/31(水) 11:40配信

webスポルティーバ

 ヤンキースのエース、田中将大に何が起こっているのか──。

 5月14日のアストロズ戦、20日のレイズ戦で、田中は合計4回3分の2を投げて14失点・7被本塁打とメッタ打ちに遭った。本人も「キャリアの中でも最も悪かった2登板」と述べるなど、行く手には暗雲が漂ったかと思えた。

【写真】MLBでは「低めで打者を抑えろ」はもう古い

 しかし、背水の先発登板となった26日のアスレチックス戦では、7回3分の1を5安打1失点に抑えて復活。この日は四球をひとつも出さず、メジャーでの自己最多となる13奪三振をマークして気を吐いた。打線の援護がなかったために敗戦投手にはなったが、その投球内容はひとまずファンや関係者を安心させている。

 今季はここまで5勝4敗、防御率5.86。試合ごとの波がやや大きくなっている田中の現状や不調の原因、復活の理由について、あるメジャー球団の大ベテランスカウトに分析を求めてみた。

 チームに提出するレポートの記載内容も一部含まれるため、スカウトの所属球団、名前などは明かせない。しかし、彼が獲得した選手の中には殿堂入りプレーヤーも含まれており、球界でも一目置かれる存在であることは記しておきたい。27日のアスレチックス戦をヤンキースタジアムで観たそのスカウトに、田中の現状に関して率直な意見を話してもらった。

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──これまで安定感に定評があった田中ですが、5月中旬の2登板では驚くほどに痛打されました。不調の要因をどう考えますか?

「私が話したヤンキースの人間は、田中の投球フォームが崩れていることを心配していた。具体的には、投げ急ぐあまりに身体が開き、投球の際に腕の位置が下がってしまっていた。そのフォームでは球のキレがなくなり、コマンド(狙った場所、コースに投げる能力)を安定させることも難しい。メカニクス(投球の際の技術や体の動き)の乱れのおかげで、どの球もホームプレート中央の甘いコースに入りがちになっていた」

──26日のアスレチックス戦の前に本人は、「制球、キレのどちらかがよければここまで崩れることはないが、両方の不調が重なったために歯止めが効かなくなった」と話していましたが、その26日の試合では見違えるような投球をしました。最新の登板をどう分析されましたか?

「アスレチックス戦ではメカニクスが改善され、より辛抱強い、安定したフォームになっていった。おかげで速球系の球速も十分。(資料を見ながら)速球は92~95マイルの間で、93マイル(約150キロ)の球が多かった。その球を低めに丹念に集め、ストライクゾーンの両サイドに上手に投げ分けることもできていた」

──変化球の中でよかったボールは?

「特にスライダーのキレがよくて、曲がり始めるのが遅かったために打者は見極めが難しく、これが『アウトピッチ(決め球)』になっていた。右打者に対しては外角低めにきれいに曲がって落ち、左打者に対しては、外から曲げて外角のストライクゾーンに決めるいわゆる『バックドア』も有効だった」

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