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前川元次官はなぜ暴走しているのか?経歴から読み解く --- 宇佐美 典也

5/31(水) 17:05配信

アゴラ

“前川文部科学審議官に聞く!「教育の強靭化に向けて」:文部科学省(https://youtu.be/uewVm6rcyNo)”

ども宇佐美です。
今回は最近噂の元文科省次官の前川喜平さんの話です。

さて官僚(に限ったことではないかもしれませんが)がどのような仕事をしてきたかを見るには、その経歴をみればおおよそ予測がつきます。そんなわけで前川さんの経歴を見て見ますと圧倒的に教育畑が長いことが見て取れます。

・1979年4月 - 東京大学法学部卒業、文部省入省
・1986年9月 - 宮城県教育委員会行政課長
・1989年2月 - 在フランス大使館一等書記官
・1992年3月 - 文部省官房政策課政策調査官
・1993年4月 - 官房政策課政策企画官
・1994年6月 - 与謝野馨大臣秘書官事務取扱
・1995年10月 - 教育助成局財務課教育財務企画室長
・1997年7月 - 文化庁文化部宗務課長
・1998年7月 - 高等局主任視学官兼中央省庁等改革推進本部事務局参事官
・2000年6月 - 文部省教育助成局教職員課長
・2001年1月 - 文部科学省初等中等教育局教職員課長
・2001年7月 - 初等中等教育局財務課長
・2004年7月 - 初等中等教育局初等中等教育企画課長
・2010年7月 - 大臣官房総括審議官
・2012年1月 - 官房長
・2013年7月 - 初等中等教育局長
・2014年7月 - 文部科学審議官(文教担当)
・2016年6月 - 文部科学事務次官
・2017年1月20日 - 文部科学次官退任
・2017年3月 - 就職先あっせんの口利きが発覚して停職相当の懲戒処分が下る

1995年以降は全体調整を担当する官房総括審議官と官房長にいた時期以外は一貫して教育畑の枢要ポストを努めていたことが見て取れます。特に初等中等教育局が長く、おそらく省内では「初等中等教育行政のドン」と呼ばれる立ち位置だったと推測されます。他方以下は文科省の組織図ですが、一連の加計学園の国家戦略特区関連の事案は主として大学制度を担当する、高等教育局が扱う案件であったことから、前川氏の主戦場とはすれ違っています。

個々の省庁の官僚組織というのは、次官がトップダウンで物事をきめるというよりもボトムアップの議論が政策決定にあたって重視されますから、おそらく今回の加計学園の事案でも前川氏は前面に立って物事を判断するような立場ではなく、むしろ高等教育局長の判断を尊重して決裁するような立場だった思われます。そうした立場の前川氏が今回加計学園の問題について声高に政権を批判するのは、かつてエネルギー政策をほぼ担当したことがない古賀茂明氏が原発政策をだしに経産省を糾弾した構図とやや似ています。では直接的に高等教育局畑を歩んでこなかった前川氏がなぜこれほど政権を批判しているのかというと、率直に言って天下り問題で実質的に首を切られた「逆恨み」なのではないか、と私は思います。実際、菅官房長官は前川氏の次官辞任の経緯について「当初は責任者として自ら辞める意向をまったく示さず、地位に恋々としがみついていた。その後、天下り問題に対する世論の厳しい批判にさらされ、最終的に辞任した」と述べています。私は自らが担当した職務についてなんからの不正があった場合、元官僚が所属組織を告発することは情報公開の観点から非常に重要だと思いますが、このような形で情報が歪んで伝えられるのは必ずしも望ましいことではないと思います。前川氏は「初等中等教育局のドン」であるに過ぎず、今回の事案で最も発言が重要視されるのは本来前川氏ではなく常盤豊高等教育局長であるはずです。

仮にこの問題で証人喚問を行うとしたら現高等教育局長である常盤氏、もしくは前高等教育局長である吉田大輔氏が最優先に考えられるべきです。なお吉田氏は退職後、文科省の斡旋で早稲田大学へ天下ったものの、一連の問題で退職を余儀なくされています。もっとも仮に事実であったとしても全く違法性がない加計学園の問題で証人喚問をする価値があるとは私は思えないのですが、、、

この点メディアも数十年間大学誘致に懸命になってきた今治市の為にも、この辺りの職務分担を正確に突き止め、適正な調査と報道を行なって欲しいと考えるところです。。。まぁもう加熱してるので難しいかもしれませんが。。。ではでは今回はこの辺で。


編集部より:このブログは「宇佐美典也のblog」2017年5月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は宇佐美典也のblog(http://usami-noriya.blog.jp/)をご覧ください。

宇佐美 典也

最終更新:5/31(水) 17:05
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