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【U20】英国人が見たベネズエラ戦「東京五輪へ決定力向上を」「日本は自信を持てばどんな相手でも戦える」

5/31(水) 10:03配信

フットボールチャンネル

U-20日本代表は30日、韓国で開催されているU-20ワールドカップの決勝トーナメント1回戦でU-20ベネズエラ代表と対戦し、延長戦の末に0-1の敗戦を喫した。この試合中、イングランド人ライターのショーン・キャロル氏に随時話を聞いた。

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●「ベネズエラの10番は大会で一番上手い」「HTまでゼロで抑えることができれば…」

――ベネズエラ戦のスタメンが発表されました。どんな印象ですか?
「良いね。ディフェンスは固そう。三好が復帰したのも良いと思う。あのようなドリブラーはインパクトを残せるはず」

――今日の試合で一番大切なことは何でしょうか?
「ベネズエラの10番に良いプレーをさせないようにね。彼は僕がこの大会で実際に見た選手の中で一番上手い」

――ベネズエラは優勝候補といわれていますが、何が優れているのでしょうか?
「積極性です。全ての選手に力があるし、常に前を向いてプレーしている」

――ベネズエラは大会最多の10得点を挙げています。ここまでグループステージ全ての試合で失点している日本は要注意ですね。
「特に立ち上がりはね! もしハーフタイムまでゼロに抑えれることができれば、勝つ可能性は高まると思う」

――この試合から一発勝負の決勝トーナメントです。若い世代からこういう試合ができるのは貴重な経験ですね。
「間違いない。でもそれより、毎日プレッシャーがある環境で成長できればもっと良い」

――立ち上がりの10分間は無失点ですね。日本はグループステージの全5失点のうち3つは10分以内の失点でしたから、まずは第一関門突破というところでしょうか。
「悪くない。まだ攻撃はあまり機能してないけど、逆にベネズエラにチャンスを与えなかった」

――ベネズエラは10番のソテルドを中心にチャンスを作っています。彼は158cmですが、非常にテクニックがある選手ですね。
「身長は関係ないと思う。勇気があれば良い選手になれる」

●「堂安は早く海外に行くべき」「フィニッシュの精度は修正しないと」

――前半25分が経過しました。日本はベネズエラに攻め込まれる時間が続き、攻撃でも決定機が訪れません。
「攻撃はまだ機能していないね。もっとラストサードでボールをキープしなきゃ」

――33分、市丸のクロスから岩崎がヘディングシュートを放ちますが、枠を大きく超えてしまいました。
「それは決めるべき…。あのようなチャンスは非常に少ないと思う。日本は少ないチャンスを生かすしかない」

――前半は0-0で終了しました。ここまでの印象はいかがですか?
「良かったと思う。ほぼ試合の流れをコントロールできていて、ディフェンスは集中していた。課題は攻撃だけです。チャンスはなんとか作れているけど、ラストパスやシュートの精度は少し低いね」

――前半で最も良かった選手は誰でしょうか?
「また堂安かな…。常にポジティブにプレーしてるからね。あのような選手はどのチームにも必要。クロスバーに直撃したFKも印象的だった」

――堂安には海外からオファーが来ているという報道も過去にありました。
「そうですね。できるだけ早く行くべきだと思う」

――ショーンさんはGKの小島をどう評価しますか? チーム唯一の大学生ながら全試合でゴールマウスを守っています。
「特に大きな印象は残していないね。大きなミスもなかったけど、好セーブもなかった。でも、ゴールキーパーとしてそのような安定感があるのはいいことだと思う」

――後半にポイントはどこになりますか?
「前半のパフォーマンスを続けること。でも、フィニッシュの精度は修正しないといけないね」

●「ベネズエラもそこまでよくない」「延長戦は心配。日本に疲れが出る」

――57分、堂安のスルーパスから高木が相手GKと1対1に。しかしシュートはGKに防がれてしまいました。
「テレビの実況は“ファインセーブ”と言っていたけど、実際はキーパー正面だった…。ファインセーブというより、シュートがちょっとよくなかった」

――ハーフタイムに仰っていた“フィニッシュの精度”ですね。
「そういうこと」

――63分、内山監督は高木に代えて久保を投入しました。
「期待したいね。でもここまで日本は試合を常にコントロールしているし、ベネズエラもそこまで良くはない」

――71分に久保のチャンスメークから遠藤がシュート。久保は周りがよく見えてますね。
「彼は本当にプラスアルファを持っている」

――残り時間は10分…。いまだ0-0ですが、日本は90分以内に勝負を決めるためにゴールを狙いにいくべきか、リスクを犯さずに延長戦を迎えるべきか、どちらが良いのでしょうか?
「難しいね。でも90分間の試合と考れば日本は勝利に値すると思うから、少しリスクを取った方が良いかな」

――結局90分を終えても両チームにゴールはなく、延長戦突入となりました。
「延長戦は少し心配だね。日本は中2日だけど、ベネズエラは中3日なので日本の方に疲れが出る可能性は高い」

――延長戦はどこに注目ですか?
「集中力ね。体が疲れたら頭も疲れてくる」

――日本はさらに攻め込まれる展開に…。やはり明らかに疲れが出ているようです。
「そうだね。ベネズエラは延長戦で勝負を決めたいみたい」

――105分間でもゴールは生まれず延長前半は終了しました。しかし、延長後半開始直後にCKからエレーラに決められてしまいました…。
「やはり疲れがあったのかな。エレーラの動きとジャンプは良かったけど、マークしていた冨安の反応は少し重かったね」

●「他の国の選手はもっと上手くなる。日本の選手も成長しないと」

――結局このまま日本は0-1で敗れ、ベスト16敗退が決定しました。120分間を通じてどんな印象でしたか?
「全体的に試合をコントロールできていたけど、チャンスを生かせなかったね」

――この試合で印象に残った選手は誰でしたか?
「センターバックの2人は良かったと思う。ゴールシーンで冨安はエレーラのマークを外してしまったけど、それ以外は良かった。彼はアビスパでレギュラーだったし、この大会では全試合に出ていたので疲れていたのかな。中山も良いラインコントロールをしたと思う。ベネズエラにあまり大きなチャンスを与えなかった」

――敗因は何だったのでしょうか?
「ビッグチャンスを決め切れなかった。それは一番大きいと思う。でも、お互いのスケジュールも影響を与えたかな。ベネズエラの準備期間はプラス1日あったし、彼らはグループステージ2試合が終わった時にもう突破が決まっていたので最終節はそんなにハードじゃなかった。一方で日本はイタリアに2点ビハインドから追いつかなければならなかった」

――彼らは3年後の東京五輪に挑む世代でもあります。東京五輪でさらに良い結果を残すためには何が必要ですか?
「決定力を向上しなければならない。世界大会ではチャンスを決めないと」

――この4試合を通じて、日本の選手たちは何を学ぶことができたのでしょうか?
「日本のサッカーと他の国のサッカーのレベルはそんなに差がないと分かってたと思う。自信を持てればどんな相手にも戦える。でも、これから他の国の選手たちはもっと上手くなるので日本の選手も成長しないといけない」

▽語り手:ショーン・キャロル
1985年イングランド生まれ。2009年に来日。「デイリーヨミウリ」「Jリーグ公式ウェブサイト」などにも寄稿。高校サッカー、Jリーグ、日本代表など幅広く取材している。過去にはスカパーのJリーグ番組出演も。

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