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マラッカのマングローブの木の実カレーは まるでトリュフのような味だった!

5/31(水) 12:01配信

CREA WEB

 知る人ぞ知る美食の国、マレーシア。この連載では、マレーシアの“おいしいごはん”のとりこになった人たちが集う「マレーシアごはんの会」より、おいしいマレーシア情報をお届け。

マラッカの歴史がうみ出した魅惑のクリスタン料理

 世界遺産の美しい町、マレーシアの古都マラッカ。ここには、チキンライスボール、アッサムペダス、イカン・バカール、チェンドルなど、私たちを“とりこ”にした料理がたくさん。

 今回は、この美食の町で、今注目を集めているレストランをフィーチャー!  ポルトガル料理の流れをくむ「クリスタン料理」を中心に提供する「メルバ・アット・ザ・マンション」。植民地時代にうまれた、マラッカ独特の食文化が体験できる貴重なレストランです。

 メインシェフは、「グルマン世界料理本大賞2016・Best Woman Chef」部門で、みごと大賞に輝いた料理本の著者、メルバ・ヌニス。彼女はマラッカ出身のポルトガル系の末裔で、得意とするのはクリスタン料理。

 マラッカは、東西貿易の拠点という恵まれた立地のために、ポルトガル、オランダ、イギリスといったヨーロッパ列強の国に次々支配された歴史をもっています。

 そのため、様々な文化が融合し、変化を遂げ、そこから独自の新しい文化をうみだしてきました。ポルトガル系の末裔が築きあげたクリスタン料理もそのひとつ。

 この興味深い、500年の歴史をもつクリスタン料理についてはまた次にじっくり紹介するとして、今回はさっそく、レストランのおすすめ料理を紹介しましょう! 

濃厚でトリュフのよう!マングローブの木の実カレー

 レストランの看板メニューは、メルバシェフがもっとも得意とする「カリー・クルア」。マラッカ名物といえばこのカリー・クルアといわれるほど有名なカレーですが、下ごしらえに1週間近く(! )かかることから、提供しているレストランはわずか。

 伝統の味、という表現にまさにぴったりの料理。というのも、シチューのようなスープはいたって食べやすいのですが、皿の中に殻付きの栗のような姿で横たわっている「ブア・クルア」がすごいんです! 

 ブア・クルアは、マングローブの沼地で育つ木の実。安全に食べるためには、3~7日間ほど水に漬け、くり返し水をかえて、毒性を抜くのだそう。

「私は幼いころからよく食べていたわ。土の匂い、といえばいいのかしら、ブア・クルアの独特の匂いは好き嫌いがわかれるけど、私は毎日でも食べたいの」とメルバシェフ。

 食べてみると、たしかに得も言われぬ複雑な香りです。「磯の香り」や「少し苦みがある」などいろいろ表現されますが、このレストランで私が食べたブア・クルアは、トリュフのような味!  決して食べにくいわけではなく、一度食べると忘れられない、まさに珍味です。 1週間の下処理をしてでも食べたい気持ち、なんだかわかるかも。

 もうひとつの看板メニューは「カリー・デバル」。クリスタン料理の代表格で、クリスマスにはかかせない味。

 メルバシェフにとってのカリー・デバルは、思い出がたくさん詰まった料理。「クリスマス、または結婚式の定番ね。祖父が、このカレーにパンをひたしながら食べていたのを思い出すわ」と語ります。

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最終更新:5/31(水) 12:01
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