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「アジア人お断り?」 海外で理不尽な差別を受けたら

6/1(木) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 こんにちは。著述・翻訳家の上野陽子です。最近、アジア人であることを理由に理不尽な扱いを受けた人たちの記事を目にします。今回は、差別とも見える海外のニュースをもとに、私たちの身に起きたとき、どのような対処をしたらいいかを考えてみましょう

■断られた理由は「アジア人だから」

 以前、台湾人の友人から、こんなお話を聞いたことがあります。
 神様がクッキーを焼いていました。1枚目は焼き時間が少なくて白っぽく仕上がってしまいました。そこで、2枚目を作ると今度は黒く焦げてしまいました。今度こそと3度目に挑戦したら、ちょうどいい焼き色に仕上がりました。それが、アジア人でした。
 「アジア人が一番いい具合」という都合のいいお話に、どこか違和感を持った記憶がありました――。
 さて先日、ハフィントンポストで「アジア人だから」という理由で、米国で宿泊を拒否された女性の記事を読みました。それは、一般の人たちの自宅や別荘などの貸し出しを取り次ぐAirbnbというサイトを介しての出来事です。
 その女性は、一般家庭に宿泊を申し込み、その場所へ向かう道中、突然宿泊を拒否されるショートメールを受け取り、路頭に迷ってしまいます。ホストは、女性のプロフィール写真を見てアジア人だと判断して拒否したのです。
 この件では、ホストが「アジア人だから断る」と、人種が理由であることをショートメールに明記していました。そのため、公に「差別」だと認められて反響が起こり、Airbnb社はそのホストの登録を解除し、永久追放しました。
 「なぜこんな仕打ちを受けるのだろう?」と疑問を持たざるを得ない出来事は、まだまだたくさんあります。

■イチローのバットはチョップスティック

 先日、米ユナイテッド航空の国内線でダブルブッキング騒動がありました。乗員数オーバーのために乗客を降ろさなければなりません。その際、一人のベトナム系米国人医師が、強引に引きずり降ろされそうになり、大きなけがを負うという出来事がありました。
 この件も差別ではないかとの声も聞かれました。航空会社の機械による無作為抽出や対応に差別はなかったことと思います。さらには、医師が過去に保護観察処分を受けたことがあるといった報道も出ています。
 ただ、今回引きずり降ろされそうになった原因は「ダブルブッキング」。医師が歯を折り、鼻を骨折し、血を流すほどの行き過ぎた行為を見ると、治安当局職員個人の意識に何があったかは計り知れません。相手が白人の男性だったとしたら、治安当局職員が同様の行為をしたかは、疑問が残るところです。
 こうしてつい「差別では?」と騒ぎたくなってしまう場面は多々あります。しかし、するほうもされるほうも、個人の意識や感覚によるところが大きく、実際に差別なのかどうかの判断も難しいところです。
 海外で活躍するスポーツ選手にも、公にそうした発言がぶつけられるのを目にすることがあります。何年か前にテレビで「イチロー選手のバットはチョップスティック(箸)」などと発言をした野球解説者がいました。その言い方から「食文化に対する侮辱では」など、むしろFOXをはじめとするアメリカのメディアが取り上げるようなこともありました。
 サッカーの中村俊輔選手には「オレの犬を食った」などとヤジが飛んだこともあるなど、他にも解説者やサポーターからの発言も多く見られます。理由は、アジア人だから、肌の色が黄色いから、日本人だから、とにかく外国人に腹が立つ……とさまざま。ですが、自分は何もしていないのにと理不尽に思える理由ばかりです。

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最終更新:6/1(木) 7:47
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