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【日本ハム】まるで深い森のよう 静かなる男・オバンドーの記憶

6/1(木) 11:00配信

文春オンライン

 ファイターズの外国人選手は90年代前半、チアガールと一緒にダンスを披露して「踊るホームラン王」と親しまれたマット・ウインタースや、現在「寿司ポーズ」で大人気を博しているブランドン・レアードを代表格に、派手なパフォーマンスの印象がある。が、今回、僕が取り上げたいのは静かなる男、シャーマン・オバンドーなのだ。

「オーバンド」の語感に不安を抱いた入団前

 オバンドーはパナマ出身の外野手、右投げ右打ちの強打者だ。現役時のサイズは身長2メートル、体重100キロ。キャリアハイは2000年シーズン、イチロー(当時、オリックス)に次ぐ打率.332を残し、本塁打30、打点101でベストナインに選出されている。面白いことにファイターズには1999年~2002年と、2004年~2005年の二度在籍している。東京時代のタテジマのユニホームを脱いでいったん帰国した後、しばらくしてあらためて来日し、北海道の左右非対称ユニホームに袖を通した。

 そしてそのどちらもシーズン途中の緊急補強だった。1999年は主砲ナイジェル・ウィルソン(97年ホームラン王、98年ホームラン&打点王)がヒザの故障でリタイア、その穴埋めとして5月末に来日した。

 当時、僕はラジオ番組でスポーツ紙の「ハム、右の大砲獲得へ」の記事を取り上げたのを覚えている。そのとき、「Obando」のカタカナ表記がまだ決まってなかったのだ。スポーツ紙は「オーバンド」と報じていた。僕はそれは輪ゴムではないかと思ったのだ。ナイジェル・ウィルソンの補強が輪ゴムか。大丈夫か輪ゴムで。

 申し遅れたが、僕は外国人選手の名前の語感に人一倍敏感な体質である。何かこう、打つ選手は「バース」とか「ブーマー」とか「ブライアント」とか濁音が混じってる気がする。音に迫力があるのだ。それから音引きの横棒が入ってると、その分、飛距離が増しそうだ。文春野球コラム、DeNA担当の西澤千央さんも「ボイヤー」「ローズ」で同意してくださるのではないか。音引きの横棒はないが「ブラッグス」もいい。パなら西武の「ブコビッチ」が濁音感満点。

 ただ音的に迫力のない外国人を見誤ってしまうのが、この判定方式(?)の欠点で、例えば「ミヤーン」「ポンセ」をどう考えても打てないと決めつけてしまう。「ミヤーン」なんてそんな「嫌ぁーん」みたいな打者が打つわけないと思い込む。危険な判定法なのだ。

 ハムの外国人ではウインタースと同時期に活躍した「リック・シュー」が難しかった。音引きの横棒は入っている。が、音に迫力ゼロだ。「シュー」はタイヤのパンクの音だろう。が、「シュー」は(「ミヤーン」「ポンセ」ほどではないにせよ)けっこう打つ選手だった。ごめんなさい。

 で、「オーバンド」改め表記が統一された「オバンドー」である。音的には微妙に思えた。輪ゴムでなくなったのはいいが、関西弁の「おじん・おばん」を連想する。あと「おばんです」という月夜の田舎道のあいさつだ。オバンドー英二はゆで玉子が大好き。いや、この語感は打たないだろうと思う。案の定、確か来日初打席はゲッツーだった。やっぱりか、オバンドー。突っ立ったまま手打ちしてるようなフォームも迫力に乏しい。

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最終更新:6/1(木) 12:54
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