ここから本文です

日本人9人目のチャレンジャー佐藤琢磨、 インディ500優勝への道のり

6/1(木) 18:23配信

webスポルティーバ

 インディアナポリス500、通称インディ500は、世界で最も伝統のあるレースであり、世界で1日に最も多くの観客を集めるスポーツイベントでもある。今年は101回目の開催。観客が30万人以上なのは確かだが、主催者は”伝統”に則って正確な数字を発表しない。

【写真】いま日本一速いドライバーは?

 F1のモナコグランプリ、耐久レースのルマン24時間と並ぶ世界3大レースと呼ばれるインディ500だが、F1は1950年からと歴史は意外に浅く、ルマンも今年が85回目。アメリカは若い国だが、自動車と飛行機の歴史では世界に誇れるものを持っている。しかも、インディ500は1911年の第1回からずっと同じ場所、同じコース(進化を遂げてはいるが)で開催され続けている。

 今年のインディ500はF1チャンピオン、フェルナンド・アロンソの初挑戦が大きな話題を呼んだ。そんな世界中が注目したレースで勝ったのは佐藤琢磨だった。

 インディ500における日本人のパイオニアは、1930年代にライディングメカニックとしてレースに参加していたタケオ・チック・ヒラシマという日系人だった(当時はドライバーとメカニックの2人乗り)。純粋なドライバーとしては1991年のヒロ松下に始まり、松田秀士、服部茂章、高木虎之介、ロジャー安川、中野信治、松浦孝亮、武藤英紀が挑戦してきた。今年の琢磨は予選で4位となり、まず高木の日本人予選最高記録(7位)を上回る。そしてレースでは日本人初となる勝利を収めた。

 F1でも日本人最上位タイの3位となり表彰台に上っている(2004年アメリカGP)琢磨は、これで正真正銘、日本の生んだベストドライバーとなった。それがホンダのエンジン、ホンダのエアロとともに記録されたところにも大きな意味がある。

 2009年、琢磨はインディ500の予選を見にきた。時速230マイルでターン1へと飛び込んでいくマシンはほとんど減速をせず、タイヤをスライドさせながらコーナーを駆け抜ける。それを目の当たりした彼は興奮し、「やってみたい」と言い、「自分にできるのかな?」とも話した。

 翌年、F1でのシート獲得争いに敗れた琢磨は、インディカーにフルエントリーすることになった。決して戦闘力の高くないKVレーシング・テクノロジーで走った初めてのインディ500では予選落ちの危機に直面。同じチームでの2年目は、あっという間のクラッシュで最下位の33位だった。

 3年目の2012年。移籍したレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのマシンでは、それまで積み上げてきた経験を活かし、インディ500で初めて優勝争いに絡む。最終ラップのターン1、ついにトップを行くダリオ・フランキッティのインへと飛び込んだ琢磨にスタンドは熱狂した。

1/3ページ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Sportiva

集英社

Sportivaムック
4月13日発売

定価 本体1,472円+税

フィギュア特集
『羽生結弦 平昌への道』
■ヘルシンキの激闘
■宇野昌磨、本田真凜ほか