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【U20】あっけなく終わった韓国の挑戦。衝撃の敗退、東京五輪への厳しい道のり

6/1(木) 16:00配信

フットボールチャンネル

 U-20W杯で躍進が期待された開催国・韓国代表は、決勝トーナメントでポルトガルに敗れた。選手たちが勝利に自信を見せたにもかかわらず、1-3で惨敗。イ・スンウら好タレントを擁したU-20韓国代表の敗因は明らかだった。それでも本大会までの劇的な成長を見れば、3年後の東京五輪に向けて期待は膨らむ。(取材・文:キム・ドンヒョン【天安】)

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●ポルトガルに勝てる…韓国が抱いた自信の根拠

 初夏を迎えようとしていた5月末、徐々にサッカーに対する熱気も高まりつつあった。2ゴールずつを挙げた“バルサデュオ”のイ・スンウとペク・スンホのおかげで2017 FIFA U-20W杯のグループステージを苦戦せずに突破できたこともあった。

 それ故に決勝トーナメント1回戦、韓国が同じラウンドに進んだ他の国々に比べて少し劣ると見られていたポルトガルと対戦することになり、チームへの期待感は大きく膨らんでいた。

 U-20韓国代表のシン・テヨン監督はポルトガル戦に自信を持っていた。彼は28日、決戦の地・天安で取材陣に対し「ポルトガルは弱いチームではないが、我々はしっかり準備している」と語った。「背後を狙ってくるサイドの動きが鋭い」と評価しながらも「ビデオを見て備えている」とも言った。自信が感じられる表情、そして発言だった。

 選手たちからも同じような発言があった。196cmの長身センターバックで韓国守備陣の柱となったチョン・テウクも「守備の裏をかく動きがとにかくよかった。だが、監督とのミーティングや映像分析を通じてしっかり準備している」と話した。

 彼の自信の根拠もきちんとあった。韓国は今年1月にポルトガル遠征を敢行し、U-20ポルトガル代表と一度対戦している。その遠征にイ・スンウは帯同せず、いわゆる1.5軍でポルトガルの1軍と戦った。実際、当時のポルトガル代表のメンバーは今大会に出場している選手たちとほぼ変わりない。韓国は1-1で引き分けた。しかし内容では勝っていた。しかもイ・スンウ抜きで。自信につながっても決しておかしくはない。

●3失点で衝撃的な敗戦。会場の2万人も呆然

 ところが韓国はU-20W杯決勝トーナメント1回戦、そのポルトガル相手にまさかの1-3。衝撃的な配敗戦だった。

 2万2000人弱の観客が集まった天安総合競技場が静まり返るほどの完敗だった。ホームの大声援もむなしく3点を先行され、最後になんとか1ゴールをもぎ取ったのみ。あまりのあっけない敗北に選手も、ファンも茫然自失。ペク・スンホは号泣しながらグラウンドを去った。この日、守備でも奮闘したイ・スンウも下を向いたままだった。

 戦術的な不安定さ。敗因はこの一言に尽きる。この日、韓国は4-4-2のフォーメーションを採用した。イ・スンウやペク・スンホがサイドハーフよりも前め、よりウィングに近い形で配置され、4バックの両サイドも高い位置をとる超攻撃的な布陣だった。

 しかしこの戦術がポルトガルが今大会で最も強さを発揮できる形、そして彼らのストロングポイントでもあった裏を狙う動き際立たせてしまった。ポルトガルの最初のゴールも韓国の右サイドがポルトガルの縦パス1本で崩さて生まれた。

 結局後半から得意の4-3-3に戻して試合の流れが劇的に改善されたものの、3点差をひっくり返すことはできなかった。

 おそらく韓国もポルトガル同様、相手の裏をかく動きに自信をもっていたからこんな形になってしまったのだろう。試合が終わった後、イ・スンウが試合後「ヨーロッパのチーム相手にこんな攻撃的なサッカーもできるということをホームの皆さんに見せたかった」といった発言からこの試合に臨むにあたっての自信と、戦術的な意図がうかがえる。

 とはいえ、あまりにも悲惨な結果であった。当初はベスト4、いや優勝までも狙えると自信満々に語っていた韓国だ。予想だにしなかった敗退に、U-20W杯組織委員会の面々も悲しげな表情を隠さなかった。開催国の活躍で8000人弱だった平均観客数を伸ばそうとしていたためだ。しかし韓国の脱落でこの計画も水の泡となってしまった。

●「転んだとしても立ち上がるのが男」(イ・スンウ)

 悔しい結果に涙も流したが、選手たちは胸を張った。イ・スンウは「転んだとしても立ち上がるのが男。ここで止まらず、自分たちの夢のためにさらにレベルアップしたい」と語った。バルセロナでも「チャレンジを続けていきたい」と堂々としたスタンスだった。

 この日、号泣したせいか目を腫らして取材エリアに現れたペク・スンホも「自分がサッカー選手として今どの位置に立っているかが分かった。もっと頑張っていきたいと思っている」とさらなる成長を誓った。

 この世代は今大会に出場した日本と同じく2020年の東京五輪を目指すチームだ。しかし、韓国が3年後の五輪にむけてどのようなプランを持っているのか、まだハッキリしていない。そもそもシン・テヨン監督自体が昨年12月に就任したばかりで、W杯中に戦術を変えたのもやむをえない決断だった。

 逆に言えばこの6ヶ月間でU-20韓国代表は劇的な変貌を遂げた。守備には穴ばかり、攻撃には豊富なタレントを擁しながら最適な組み合わせを見つけられない…昨年のAFC U-19選手権ではグループステージも突破できなかったチームを、W杯でベスト16に勝ち進めるまで鍛え上げた指揮官の手腕は評価しなければならないだろう。

 東京五輪まで3年あまり。この時間を大切にして強化を進められれば、さらなる成長も期待できる。韓国サッカー協会と代表チームの協調をより強固なものにし、選手たちがプロとして飛躍することを祈るのみだ。

(取材・文:キム・ドンヒョン【天安】)

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