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VIP待遇経験ないサラリーマン社長ハメる投資銀行の巧妙手口

6/2(金) 16:00配信

NEWS ポストセブン

 海外M&Aは高度なマネジメントやノウハウが必要だが、とくに日本企業がよく失敗するのが、アメリカなどの投資銀行を絡ませたケースである。東芝は買収したアメリカの原発会社ウェスチングハウス(WH)の経営破綻によって2017年3月期決算の赤字が9500億円に膨らんだ。

 LIXILは、ドイツの水栓金具最大手グローエを買収した際に同社の子会社として一緒に傘下に入った中国企業ジョウユウの破産に伴い最大662億円の損失が生じた。経営コンサルタントの大前研一氏が、M&Aに失敗した事例でよくみられる諸悪の根源、投資銀行の巧妙な手口について解説する。

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 私の印象では、投資銀行が仲介する海外M&Aの成功確率は5%以下である。つまり、95%は手を出さないほうがよい案件なのだ。にもかかわらず、多くの日本企業が投資銀行のM&A話にひっかかる。なぜか?

 たとえばアメリカ市場に本格参入を考えている日本企業があるとすると、投資銀行から「アメリカには御社にとって目の上のたんこぶの強力な競合相手がいますが、我々の情報では、その会社の株主が売ってもいいと言っているんですよ」と誘いの手が伸びてくる。日本企業の経営陣は、業界で憧れの対象だった欧米の大企業が買えるのか、と浮き足だつ。

 あとは羽田空港からプライベートジェット機でアメリカに連れて行かれ、現地ではストレッチリムジンが迎えにきて、豪華なディナーで歓待される。帰る頃には仮契約の書類にサイン……という塩梅だ。投資銀行の手口は十中八九、このパターンである。そんなVIP待遇を経験したことがない日本企業のサラリーマン社長は、これにコロッと騙されてしまうのだ。

 しかも、多くの場合、相手企業の経営者と話してみると、こちらの考えをよく理解している、気に入ったので引き続き彼に経営を任せよう──となる。いわゆる“ゴールデン・カフリンクス(金のカフスボタン)”と呼ばれるもので、買収の際に、たとえば現経営陣は2年間クビにできない、クビにする時は巨額の違約金を払わねばならないというような身分保証契約を結ぶことを言う。

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