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日本を味わう:フードライター、マイケル・ブース

6/2(金) 18:17配信

nippon.com

日本と日本料理をこよなく愛する英国のライター、マイケル・ブース氏。日本での食べ歩きの記録をまとめた著書は『英国一家、日本を食べる』(亜紀書房)として日本でも出版された。来日したブース氏に東京の居酒屋で、食と旅行にまつわるさまざまなエピソードを語ってもらった。

日本を味わう:フードライター、マイケル・ブース

マイケル・ブースMichael BOOTH
英国のフード・トラベルライター、作家。日本、フランス、北欧を中心に食と旅行に関する著書を執筆する傍ら、「ガーディアン」、「インディペンデント」などの英国の新聞に寄稿している。主な作品は『英国一家、日本を食べる』、『限りなく完璧に近い人々:なぜ北欧の暮らしは世界一幸せなのか?』など。2010年に英国で出版されたブース氏の『Sushi and Beyond: What the Japanese Know About Cooking』。これを邦訳した『英国一家日本を食べる』が2013、14年に2冊に分けて出版されると、日本でたちまちベストセラーになった。日本の読者の共感を呼んだこの本は、ブース氏が妻と2人の息子とともに日本中を食べ歩いたグルメ紀行。コミック化やアニメ化もされ、テレビアニメはNHKで放映された。東京・赤坂の居酒屋でくつろぎながら、ブース氏が和食を通じてどのように日本を見つめてきたのかをじっくり語ってもらった。

日本の食と旅への愛

--『英国一家、日本を食べる』の取材で特に思い出深かった体験は?
相撲部屋で食事をしたのは貴重な体験でした。子どもと旅をして良かったと思うのは、まず、子どもの目を通して世界を見ることができる点です。子どもには大人と全く異なる世界が見えているからです。また、子ども連れだと、周りの反応も全然違ってきます。息子たちが相撲部屋で力士に遊んでもらっていた光景も忘れられません。お昼に、ちゃんこ鍋とスパムソーセージが机に並んでいるのを見たときには驚きました。意外にヘルシーでしたが、量は半端じゃなかったですね。

--最も印象に残っている日本の食べ物は?
旅の最後に訪れた沖縄で、生まれて初めて食べた海ブドウという海藻です。強烈でした。今でもあの食感が忘れられませんし、海ブドウについてもっと知りたいと思いました。実はちょうど新作を書き終えたばかりなんです。日本全国を回るのは同じですが、今回はルートを逆にたどってみました。再び訪れた沖縄では、海ブドウの養殖所を見学してさらに詳しく調査しました。ゆばも独特な食感がありますが、好きな食べ物の1つです。もちろん、みそ、日本酒、かつお節も大好きですし、うなぎの骨も食べましたよ。

--何でも挑戦してみたんですね。
でも、一度食べればもういいかなというものもありました。例えば納豆です。何度か食べてみましたが、好きというほどではないですね。すりおろした山芋とモズクもそうです。

--旅先で感銘を受けた料理人はいますか?
幸運なことに、東京・銀座にある「すきばやし次郎」ですしを食べる機会がありました。そして残念なことに、私が今まで食べた中で最高のすしでした。というのは、びっくりするほど値段が高くて予約を取るのがほぼ不可能だからです。でも素晴らしい体験でした。すし職人の次郎氏はとても厳しい人で、すしを握っているときは一言も話しません。でも仕事が終わった後の彼は、とても親しみやすくておしゃべりでした。本当においしいすしで、魚を熟成させて旨味やこくを引き出すのですが、それがまさに職人技でした。濃いめの酢飯との相性も抜群で、これほどパンチのきいた味になるとは思っていませんでした。日本で味わった最高の料理の1つです。

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最終更新:6/2(金) 18:17
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