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浦和レッズに「ひじ打ちではなく拍手を」。難題をクリアしACL8強に

6/2(金) 8:03配信

webスポルティーバ

 いいものを見せてもらった。試合後の乱闘騒ぎではない。

 たしかに試合終盤と終了後に起きたプロレスのような出来事が後味を悪くしたことは間違いなく、結果的に韓国チームの蛮行がクローズアップされる試合となってしまった。

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 しかし、本来語られるべきは、ピッチ上で表現された浦和レッズのパフォーマンスだろう。それほどまでに浦和の選手たちは、素晴らしい戦いを披露した。

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)ラウンド16の第2戦。済州ユナイテッドFCのホームで行なわれた第1戦を0-2で落としていた浦和にとって、この試合には段階的な3つのテーマが存在していた。「最低でも2点を奪うこと」「1点も与えないこと」、そして「勝負を決する3点目を奪うこと」。結果的に120分の時間を費やしたものの、浦和は課せられたすべての難題を見事に攻略したのだ。

 ひとつ目のテーマは比較的たやすくクリアできた。立ち上がりから積極性を示すと、18分に左サイドからのFKをFW興梠慎三が頭で合わせて先制。さらに34分には興梠のパスに抜け出したFW李忠成が角度のないところから決めて、前半のうちにトータルスコアをタイに戻すことに成功した。

 ただし浦和は、ただやみくもに攻めればいい状況ではなかった。相手にアウェーゴールを与えてしまえば、その時点で試合は終わってしまいかねない。得点は必要だが、1点でも与えてはいけない。そんなぎりぎりの状況下で、浦和はこの試合を戦っていたのだ。

 それでも浦和が攻勢を保てたのには、ふたつの要因があった。ひとつは徹底したリスクマネジメントだ。

 第1戦の戦いを踏まえても、済州がカウンターに特長のあるチームであることは認識していた。いかにカウンターを発動させないか――。そのためには、無駄なパスミスを減らす必要があった。取った手段はロングフィード。本来浦和は最終ラインからのつなぎに定評のあるチームだが、この日はその選択肢をなるべく排除していた。3バックの中央を担うDF遠藤航は言う。

「くさびをカットされてのカウンターを警戒していました。だからグラウンダーで入れるよりも、前線の動き出しに合わせて裏に長いボールを入れて、セカンドボールを拾う形を狙いました」

 中盤での無駄なボールロストの危険性を減らし、攻撃のスタートポジションを高い位置に設定。相手を後方に押し込むことで、カウンターを封じたのだ。

 そしてもうひとつは、攻から守への切り替えだ。これは前線の選手の功績だろう。

「カウンターだけはやらせたくなかった。(ボールを)取られた奴が取り返すくらいの気持ちでいこうと。最終的にはファウルで止めてもいいと思っていた」

 興梠が振り返ったように、奪われた後のファーストディフェンスの早さが、相手の特長を打ち消していた。なかでも、もっともカウンターを浴びる危険性が高いのはCKの場面。こぼれ球を拾われて速攻を浴びるケースはよく見られるが、この日の浦和はこの場面でも抜かりがなかった。

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