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カードゲームを遊ぶと良いことある? 教育心理学者に聞いてみた

6/2(金) 22:36配信

KAI-YOU.net

戦略や駆け引きを楽しむTCG/DCGで遊ぶと、頭や心に「何か良いこと」が起きていそうな気がします。実際のところ、ポジティブな効用は期待できるのでしょうか?

【カードゲームに興じる子供や大人、カップルにギャルまで】

そこで、宮城学院女子大学で心理学の講義を行い、子どもの主体性・創造性を育むための教育や研究活動、カードゲームの心理的効用についての研究に取り組まれている西浦和樹教授にうかがいました。

個人の趣味や嗜好について、好きなアーティストのコミュニティが形成されるのと同じように、TCGについても一定のファンコミュニティが形成されています。

TCGは、アニメやハイテク、ソーシャル機能など新しい娯楽メディアと連動したものが生み出されています。また、当初は無料でプレイできるものの、ゲーム進行に伴って「強さ」や「好み」に応じたカードを収集したくなるような「課金制度」が巧妙に仕掛けられ、商業的な意味合いが色濃く出てくる場合もあります。

本稿では、様々なTCGが流通する中で、メディア研究で行われているファン心理の研究に加えて、TCGの心理的効用にはどのような特徴があるのかを述べます。

ファン心理の研究からTCGを読み解く

ネガティブな風潮で語られることの多いゲーム研究ですが、ここではポジティブな心理的効用に焦点を当てて、TCGを読み解きます。

「おたく」や「追っかけ」のような熱狂的な支持者に関する心理学研究は、ファン心理の研究として知られています(※1)。

ここでは、ファン心理の研究で語られる、「趣味や愛好家にみられる5つの心理的特徴」を紹介します。


第一の特徴:熱狂

これは「TCGのためにできることは何でもする」といった熱狂的な心理特性です。

日常生活に支障をきたすレベルでTCGに熱狂するのは問題がありますが、好きなことに取り組み、集中力を養うことができれば、勉強や仕事にも生かすことができるでしょう。

第二の特徴:作品への評価
これは「TCGのレベルの高さ」「TCGプレイ中の感動体験」といったTCGのもつ世界観への評価に関する心理特性です。

TCGのプレイレベルが高ければ、プレイヤーの知的好奇心がくすぐられ、プレイ中の感動体験を味わえます。過去の対戦経験を次の対戦に活かす、あるいは別のゲームや現実生活に活かせれば、周りの人々にも感動体験を与えることができるでしょう。

第三の特徴:同一視と親近感や憧れ
これは「TCGのキャラクター」に自分との共通点を見つけて、自分と同一視するような心理特性です。

TCGのキャラクターとの距離が近くなればなるほど、感情移入しやすくなります。TCGのキャラクターに扮したコスプレでファンのイベントに参加するような場合は、そのキャラクターに近づきたいという変身願望を叶えようとしたのでしょう。

この心理特性を理解すれば、自分の未熟さや劣等感を克服することができますので、心の成長へと導くことができます。

第四の特徴:ファン・コミュニケーション
「ファン同士で集まって盛り上がるのは楽しい」といった親和欲求を満たそうとする心理特性です。

この親和欲求を理解すれば、友達や家族など対人関係の距離感を良好に保つことができます。

第五の特徴:外見的魅力
「外見やデザインに魅力を感じる」といったモノへの愛着に関する心理特性です。

このモノへの愛着に磨きをかければ、デザイナーとしてのセンス、クリエイティブなデザイン思考を磨くことにつながります。
 
以上のようにTCGユーザーのファン心理を読み解くと、趣味の世界に生きることは決して悪いことばかりでないことが理解できます。TCGの世界から、「集中力」「知的好奇心」「感動体験」「劣等感の克服」「デザイン思考」など、日常生活のヒントを得ることができるのです。

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最終更新:6/2(金) 22:36
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