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路面電車が次世代型として復活 渋滞緩和と高齢化対策に期待

6/3(土) 7:00配信

NEWS ポストセブン

 かつては全国で庶民の足として親しまれていた路面電車。1964年の東京五輪をきっかけにモータリゼーションがすすむと交通渋滞が社会問題となり、利用者が減っていた路面電車は次々と廃止された。ところが21世紀になって、横浜市や静岡市、京都市など全国で路面電車の復活が検討されている。ライターの小川裕夫氏が、次世代型路面電車であるLRT(Light rail transit、ライトレールトランジット)計画が具体的に進む宇都宮市のケースを中心にリポートする。

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 6月10日は、6=路、10=電or面の語呂合わせで、路面電車の日に制定されている。最盛期には67都市で運行されていた路面電車は、マイカーの普及とともに路線を縮小・廃止されていった。昭和レトロと遺産扱いされる路面電車だが、その一方で都市再生の救世主・時代に適した公共交通と見直される機運も高まっている。

 そのきっかけのひとつになったのが、2006(平成18)年に富山県富山市で開業した富山ライトレールの富山港線だ。富山港線は富山駅北―岩瀬浜を結ぶ全長7.6キロメートルのミニ路線だが、もともとはJR西日本が運行していた。JR時代の富山港線は利用者が少ないことから運行本数も極めて少なく、運行本数が少なくて不便であるために利用者が少ないという負のスパイラルに陥っていた。

 富山市はきたる少子高齢化社会を見据え、中心市街地に都市機能を集約化させるコンパクトシティ政策に取り組んでいた。その一環として、JR西日本が持て余していた富山港線を譲り受け、路面電車に転換。新たに富山ライトレールとして出発させた。

 今般、注目が集まる路面電車は、一昔前のチンチン電車ではない。スタイリッシュな車両やIT技術によってスムーズな運行を実現したLRT(Light Rail Transit)と呼ばれる次世代型路面電車だ。

 富山ライトレールは昼の時間帯でも1時間に4本、15分間隔で運行しており、沿線住民の利便性は向上。また、路面電車のため、電停と車両との間に段差はなく、高齢者や障害者、ベビーカーを押すパパ・ママでも乗り降りしやすい。そうした要因が重なって、1日の利用者はJR西日本時代の約3400人から約4400人にまで増加している。

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