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2020年で見納めって知ってた?2階建て新幹線フォーエヴァー

6/3(土) 8:20配信

@DIME

衝撃の“2階建て新幹線”が登場してから32年。人々に「憧れ」、「夢」、「ゆとり」を与え、ひとつの時代を築いたが、残念ながら2020年度限りでその雄姿が見納めとなる。それを惜しみ、歴代の2階建て新幹線を御紹介しよう。

【写真】2020年で見納めって知ってた?2階建て新幹線フォーエヴァー

☆JR東海・西日本編

(1)100系

■シンボル的存在の2階建て車両

国鉄時代の1985年3月、東海道・山陽新幹線用の新型車両100系が姿を現した。従来の0系に比べると、スタイリッシュなエクステリア、大幅にグレードアップされたインテリアのほか、8・9号車の2階建て車両に度肝を抜いた人も多いだろう。

8号車は食堂車で、1階を厨房や売店など、2階を客席に分けた。特に2階の窓は歴代の新幹線電車ではもっとも大きく、車窓から眺める雄大な景色がなによりの御馳走(ごちそう)。9号車はグリーン車で、眺望の劣る1階を個室(1~3人用。のちに4人用も新設)にして静かな空間を創出。眺望のいい2階を従来通りの座席とした。

当時の国鉄は台所事情が非常に厳しい中、「お客様第一の設計」などを基本方針とし、ゆとりを強調した100系はまさに“国鉄の最高傑作”。10月1日に東京―博多間の〈ひかり3・28号〉でデビューすると、乗客から好評を博したことは言うまでもない。

■国鉄分割民営化後の100系は対照的

国鉄分割民営化後、東海道新幹線を管轄するJR東海は1988年から8号車を1階カフェテリア、2階グリーン車(座席)の合造車に変更された。これによりグリーン車は3両に増強され、需要に応えた。当初は東海道新幹線内の限定運用だったが、のちに山陽新幹線にも乗り入れている。

一方、山陽新幹線を管轄するJR西日本は、1989年3月11日に2階建て車両4両連結の『グランドひかり』(車両愛称名)を東京―博多間の〈ひかり〉で颯爽とデビュー。8号車は食堂車、9~11号車は1階をオール2人掛けで、若干グレードアップの普通車指定席、2階をグリーン車(座席)とし、従来の100系よりボリューム感のある車両となった。

また、山陽新幹線内は従来の車両より若干速い230km/h運転を実施。将来は最高速度を270km/hに引き上げ、“速さとゆとり”を両立させる予定だったが、走行試験で騒音基準をクリアできず断念した。

100系の全盛期は短く、1992年3月14日に300系と〈のぞみ〉のデビュー以降、徐々にスピード重視のダイヤに変わってゆく。東海道新幹線内では、いつの間にか〈こだま〉運用がメインとなり、食堂車も営業休止を余儀なくされた。また、『グランドひかり』も2000年3月10日限りで食堂車の営業を打ち切り。その後、1階売店の営業を続け、2002年秋まで奮闘した。

JR東海所属車は2003年9月16日に引退。一方、JR西日本所属車は2階建て車両を抜き、短編成化改造のうえ、〈こだま〉及び博多南線列車で活躍していたが、2012年3月16日に引退。両社とも最後は“花形列車”の〈ひかり〉で、長年の労をねぎらった。

☆JR東日本編

(2)200系

■一部の200系に2階建て車両を連結

JR東日本は100系に追随するかの如く、1990年から200系12両車の一部に2階建て車両を1両増結。2階は100系に準じたグリーン車の座席に対し、1階はグリーン個室(1・2人用)と普通車指定席の4人用セミコンパートメントで、新しいゆとり空間を創出した。

1991年には別の200系から中間車を捻出したほか、2階建て車両を新たに1両追加(1階はカフェテリア、2階はグリーン車の座席)し、16両編成化。停車駅の少ない“速達〈やまびこ〉”に充当された。

その座をE2系に譲ってからも、引き続き〈やまびこ〉を中心に活躍。2000年12月2日から一部の〈やまびこ〉で4人用セミコンパートメントをマッサージルームに充て、クイックマッサージの営業を開始して話題となったが、2003年11月30日で終了。2階建て車両も2004年3月12日限りで営業運転を終了した。

(3)E1系、E4系

■オール2階建て新幹線Max

国鉄時代、新幹線定期券FREX(通勤用)、FREXパル(通学用)の発売開始以降、新幹線で通勤通学する乗客が増え、列車によっては自由席を多数設定しても全員着席できない状況が続いていた。

そこで増え続ける通勤通学客のほか、東京―仙台・新潟間などの都市間輸送にも対応するため、すべての車両を2階建てとしたE1系が1994年7月15日にデビュー。100系や200系の2階建て車両と大きく異なる点は、“高嶺の花”から“気軽に乗れる”ことである。

200系12両車に比べ、座席数を4割程度アップ(座席定員1,235人)。特に自由席(1~4号車)の2階席は一部を除き3人掛けで、リクライニングをしない回転式クロスシートを採用。1号車を除く一部のデッキに「ジャンプシート」と称する補助席が設置され、乗客全員が着席できるよう努めた。グリーン車(9~11号車)もすべて2階席として“眺望”を保証した。なお、グリーン個室はない。

E1系は「Max」(「Multi Amenity Express」の略)という新幹線電車初の公式ニックネームが付与され、小泉今日子のCMも相まって視聴者からも注目を集めたほか、列車名も〈Maxあおば〉〈Maxあさひ〉などで案内し、わかりやすくした。

ラッシュ時やピーク時に絶大な威力を発揮したが、12両固定編成のため、フレキシブルな運用に対応できないことや、車内販売員は重いワゴンやカゴを抱えて車内の階段を上り下りしなければならず、“重労働”になってしまう課題も生じた。

これらを一挙に解消すべく、2代目MaxのE4系が1997年12月20日にデビュー。分割併合が容易にできるよう8両編成にしたのが特長で、2つつないだ16両編成時の座席定員は、世界最大の1,634人を誇る。このほか、車内に車販用及び車椅子用の昇降リフト設置を設け、移動も容易になり、使い勝手のいい車両となった。

E4系の増備に伴い、E1系は1999年12月4日のダイヤ改正で上越新幹線専任となり、黙々と活躍していたが、2012年10月28日をもって引退。代わりにE4系全車が上越新幹線専任となり、現在に至る。

■2020年度でE4系引退

“最後の2階建て新幹線”となったE4系は、東北新幹線からコンバートされたE2系に置き換えられ、2016年に引退の予定だったが、北陸新幹線で活躍するE7系の増備に方針転換された。これが幸いし、E4系の活躍が延長される恰好となった。

現在、上越新幹線は全線240 km/h運転で、フル規格新幹線の路線ではもっとも遅い。車両の置き換え完了後、上越・北陸新幹線はすべて最高速度275km/h運転の車両に統一。上越新幹線沿線の環境に影響がなければ、最高速度の引き上げも考えられる。

文/岸田法眼

@DIME編集部

最終更新:6/3(土) 8:20
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