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昇格2年目の長野パルセイロが、なでしこリーグ上位なのには秘密がある

6/3(土) 17:20配信

webスポルティーバ

AC長野パルセイロ・Lが結果を残している理由(前編)

 2015年になでしこリーグ2部優勝を果たし、悲願の1部リーグへ昇格したAC長野パルセイロ・レディースは、翌年の1部初シーズンを3位という好成績で走り抜けた。2位のINAC神戸とは37で同勝ち点、得失点での僅差だった。そして今シーズンも、ここまで第10節を終えて、首位の日テレ・ベレーザ、2位のINAC神戸の背後にピタリと3位(※6月1日現在)につけている。2部から昇格したてのチームが2年連続で快進撃を続ければ、これはもう必然たる力が存在していると言える。そこで、パルセイロの躍進を支えるコンディショニングへの取り組みに注目したい。

【写真】2年前、1部昇格を決めた長野パルセイロ

「コンディショニングコーチが絶対に欲しい!」

 それは1部昇格を決めた本田美登里監督の切実な要望だった。この年のパルセイロは、守備の軸であった坂本理保や攻撃を担う齊藤あかねら主力が立て続けにケガに見舞われた。エース・横山久美も満身創痍で、中盤から後半にかけてはベストメンバーをそろえることができず、苦しい台所事情が続いていた。

「あのときは”ケガ人をなくしたい!”と切実に感じましたね。1部に昇格しても、ベンチにも代表クラスの選手が座っているような上位チームに比べて、うちは力のある選手がそろっているという訳じゃないから、レギュラークラスの選手がケガをすると、穴が開いてしまう状態なんです。だからケガ人は出したくない。それでいて骨太なチームを作りたいという目標があるから、フィジカルだけでなく、食事面やコンディションについて幅広く見てもらえる専門家・コンディショニングコーチが必要でした」(本田監督)

 日本の女子サッカーでは、専門のフィジカルコーチを抱えることすら難しいのが現状である。限られた予算の中でどこに人員を割くのか――。コンディショニングに関しては削られる方に振り分けられることも少なくない。もともとパルセイロは男子のトップチーム(J3)のスタッフに定期的に見てもらっていた。その的確なアプローチを見て、本田監督の「専属で欲しい!」という意識はより高まっていく。折しもチーム側は本田監督に昇格後の複数年契約を提示しているタイミングであったため、本田監督はなんと契約条件としてコンディショニングコーチを勝ち取ったのだった。

 本田監督の期待を一身に背負ったのが、樋口創太郎コンディショニングコーチだった。パルセイロに来るまでは、北海道で全国区に通用するU-15、U-18の育成年代に関わっていた樋口コーチにとって、カテゴリーも性別も違う。それでもパルセイロでの新たなチャレンジにすべてをかけた。

「僕が加入する前年と、その前の年で1年間に3名ずつが前十字じん帯(ACL)の損傷をしていて、まずはそこを減らさないといけない。最初にさまざまなドリル(課題)をやったんですけど、一目見て、これはもう(ケガの)予備軍だという印象を受けました」(樋口コーチ)。

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