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今や若者の10人に1人がニートに。経験者が語る「私がわずか3か月で脱ニートした7つの要因」

6/3(土) 16:00配信

HARBOR BUSINESS Online

「経済協力開発機構」(OECD)は、日本の15~29歳の若者について調査したレポート「若者への投資:日本」を5月29日に発表しました。レポートでは、日本の若者の10人に1人は、仕事も通学もしていない、いわゆる「ニート」であることがわかりました。

 かくいうアラサーライターである私も、今年の4月に勢い余って仕事を辞めてニートに。同年代があくせく働いているなか、昼過ぎに起きてランチの後は昼寝、そんな生活に少し罪悪感を感じながらも現状から抜け出せない日々を送っていました。しかし、このプー太郎生活を、わずか3か月で終わらせることに成功。今回、その7つの理由をお伝えします。

◆1.実家暮らしじゃない

 ニート生活の一番のネックは、やはり「お金」。会社に属している人なら失業保険が出るため多少のことでは動じないでしょうが、フリーランスとして仕事をもらっていた筆者にはその申請ができません。これはかなりイタい! 実家暮らしなら食費や家賃の心配は不要ですが、一人暮らしだと自分ですべてカバーするしかありません。当たり前ですが貯金はどんどん減っていきます。

◆2.複数ある銀行口座の残高がすべて3桁になった

「仕事へのモチベーションを維持するために家賃の高い家に住む」という芸人の考え方に感銘を受け、多少無理をして閑静な住宅街に佇むマンションを借りてしまったのが運のツキ。

 ただでさえ少なかった貯金はどんどん減り、気づけば手持ちの銀行口座の残高はどれも3桁になっていました。

 お金に困っているときは100円でも多く財布に入れておきたいのですが、ATMは使えない。銀行の窓口に行くなんて恥ずかしくてできません。今年30歳、こんな現状をみたら親が泣くなと思った瞬間に目が覚めました。

◆3.職業欄に「無職」と書くのが恥ずかしい

 恥ずかしいといえば、こんなこともありました。お店での会員登録やアンケートの項目に必ずといっていいほど書かされる「現在のご職業」。正直に無職と書くべきか、それとも見栄を張って会社員と書くべきか……。こんな瑣末なことでも、何度か続けばそこそこダメージになります。

◆4.身近なところに反面教師がいる

 類は友を呼ぶといいますが、筆者の友人にもニートがいます。もともとは勝気で自信に溢れたキャリウーマンでしたが人間関係のトラブルで仕事を辞めて以降、3年以上も実家でニート生活を継続中。近頃では「庭でプチトマトを育て始めたんだ~。次はピーマンかな」なんて定年退職した紳士のようなことを言い始めている始末です。

 彼女が完全にニートというアリ地獄にはまった理由は“実家暮らしで貯金がある”というのが大きな一因でしょう。「あと2年はニートやれる」というのが、彼女の最近の口癖です。

◆5.マウンティングされることにうんざりした

 一方、まともに働いている友人からは「グチ攻撃」にあいました。

 例えば友人が急に、午後休が取れることになったとしましょう。そうすると暇人だと思われているため「明日会えないか?」という連絡がきます。当然、家でゴロゴロしているだけの筆者は二つ返事でOKします。そしてカフェでお茶でも飲みながら、上司や同僚のグチを聞かされるのです。

 ニートになりストレスフリーだった筆者は、最初のうちは寛大な態度で接していましたが、散々グチを聞かされたあとに、「私もニートになりたい~」という軽いマウンティングの言葉を投げられてばかりいては堪忍袋の緒が切れるってもんです。

 話を聞いてくれる十分な時間を持っており、かつマウンティングできる――。そういう対象として見られていると悟った時に、ようやく転職サイトに登録しました。

◆6.お酒の席で疎外感を感じる

 ニートになってしばらくたったある日、筆者の生活を心配した元同僚が飲み会を開いてくれました。

 最初は筆者の話が中心になるものの、酒のピッチが進むにつれ仕事の話が多くなってきます。マウンティングするつもりは毛頭なくても、働き盛りの人間が集まれば仕事のグチが出るのは当然のこと。はじめは適当に相槌を打っていましたが、最前線で戦う彼らの熱量に段々ついていけない自分がいることに気がつきました。

◆7.出会いがない

 30歳にして、無職・独身。この現状を再認識した時の精神的ダメージは、経験した人間にしかわかりません。

 仕事をしていればそれなりに異性と出会うチャンスがあり、そこからお付き合いに発展する能性もゼロではないですが、ニートの場合は新しい人と会えるチャンスがない。

 行きつけの居酒屋の店員がいくら美人だったり、カッコよくても、30歳ニートと恋愛してくれる確率はかなり低いことはわかりきっています。まともに仕事をしていれば出会いもあってお金の心配もいらない、それは心の安寧につながるのです。

 さてさて、3か月の無職生活を経て感じたのは、ニートは癖になるということ。「いやいや、それだけで何がわかる!」という声もあるかもしれませんが、職を得た今でも、ふとあの頃の生活を思い出します。それでも前述のような経験をしたこと、また労働が国民の義務である以上、私も働かないわけにはいきません。次にこの心地よい生活ができるのは、定年退職後ということですね。

<文/佐藤紫子>

ハーバー・ビジネス・オンライン