ここから本文です

新大関・高安の素顔 “無口な脱走常習犯”を変えた稀勢の里との稽古

6/4(日) 11:00配信

文春オンライン

 関脇・高安(27)が5月場所を11勝4敗で終えて、「三役で直近3場所33勝以上」という条件をクリア、大関昇進を決めた。

 高安と言えば、母がフィリピン出身のハーフ力士として知られる。母親のビビリタさんは、昇進当確となった13日目の日馬富士戦での勝利を国技館で見届けてガッツポーズをしてみせた。

「肝っ玉母さんで、以前、高安が大砂嵐にエルボーまがいのかち上げを食らったときには、翌日、大砂嵐をつかまえて“だめよ、あんなの。正々堂々と戦いなさい”と苦言を呈しました」(担当記者)

 某親方から「暖かそう」と称賛(?)されるほどの毛深さと、故・坂上二郎さんを思わせる高安の風貌は、「熊みたいでホノボノします。場所中も黄色い声援が飛んでいました」(同前)というが、本人はというと――。

「ネットで“二郎さん”と呼ばれてるのを、本人は気にしている。『書くなよ』とクギを刺されています」(同前)

 記者泣かせの口数の少なさは、兄弟子の稀勢の里をも凌ぐという。

「負けた時でも稀勢の里は『そうすね』ぐらいは言うけど、高安はまったく無言(苦笑)。彼らは先代師匠の故鳴戸親方を介して『力士がお喋りなのは良くない』という二所一門の大先輩、初代・若乃花の教えを継いでいるんです」(ベテラン記者)

 本人は、大関昇進を「入門したときは、こんなこと全く想像できなかった。当時の自分に会ったらビックリするんじゃないですか」と語る。

 今では数少ない中学卒業と同時に入門した“叩き上げ”だが、先輩の“かわいがり”に耐え切れず脱走を繰り返した過去があるからだろう。

 スポーツ紙デスクは、高安の成長と課題をこう語る。

「入門時点で身長180センチ、体重120キロの体躯で期待は大きかったが、稽古場で稀勢の里と切磋琢磨するなかで、特にこの1年で立ち合いの圧力が強くなってきた。押しても組んでもいいから、安定感もある。ただ裏を返せば、器用貧乏な面もあり、横綱を目指すなら、“こうなったら絶対勝つ”という自分の型を持つ必要がある」

 場所後のパーティーで「いつか稀勢の里関に肩を並べたい」と言い切った高安。兄弟の絆で飛躍を誓う。

「週刊文春」編集部

最終更新:6/4(日) 11:00
文春オンライン

記事提供社からのご案内(外部サイト)

世の中を驚かせるスクープから、
毎日の仕事や生活に役立つ話題まで、
"文春"発のニュースサイトです。