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トランプ大統領が予算教書、その注目ポイントと問題は

6/4(日) 7:00配信

オトナンサー

 5月23日、トランプ米大統領がようやく2018年度予算教書を発表しました。「米国の偉大さのための新たな土台」との副題が付けられています。

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 8年前、就任したばかりのオバマ前大統領が「新しい時代の責任」とする予算教書を発表したのが2月26日でした。今回は随分とゆっくりだったことになります。しかも「新しい時代の責任」は正味134ページでしたが、「米国の偉大さ…」は47ページに過ぎません。ページ数が全てではないものの、内容も「推して知るべし」でしょうか。

予算案は「デッド・オン・アライバル」?

「米国の偉大さ…」の注目ポイントは以下の通りです。

・財政収支を10年間で均衡(=財政赤字の解消)
・国防支出を増やす一方、非国防支出を大幅に削減
・社会保障以外の福祉関連給付を大幅に削減
・インフラ投資を10年間で2000億ドル実行
・所得税や法人税の減税を含む税制改革を実行
・所得税や法人税の税収は税制改革がない場合とほぼ同じとする
・経済成長の高まりを想定し10年間で2兆ドルの財政赤字削減効果を見込む

 トランプ予算案は、議会内外から「DOA(デッド・オン・アライバル)」と見られているようです。「DOA」は直訳すれば、「(病院に)到着時、すでに死亡していた」という意味ですが、転じて、法案や計画が最初から成立する見込みがないことを意味します。

 トランプ予算案に対する主な批判は以下の通りです。

 まず、10年間における財政赤字削減の総額の4割近くを楽観的な経済見通し、いわゆる「バラ色のシナリオ」に頼っています。残りのほとんどは福祉関連給付や非国防支出の削減分です。国防支出が微増となる一方、非国防支出は30%近く削減されます。

 さらに、減税を実施するものの、経済成長によって税収にほとんど変化がないとの想定です。1981年に就任したレーガン元大統領は、税率を下げれば税収が増えるという「ラッファー効果」に期待して大規模減税を断行しましたが、そうした効果はほとんどありませんでした。トランプ大統領も同じテツを踏もうとしているのでしょうか。

共和党議員が賛成する保証はない

 米大統領は予算を「提案」することはできますが、作ることはできません。予算を実際に作るのは議会です(議会が作った予算法案に大統領が署名して成立する)。議会では、上院も下院も共和党が議席の過半数を占めているものの、全ての共和党議員が大統領提案を受け入れる保証はありません。むしろ、大統領提案に諸手を挙げて賛成するのはごく少数でしょう。

 議会では、トランプ予算案と全く異なる、独自の予算案が審議されるかもしれません。予算審議は、2018年度が始まる10月1日ギリギリまで、あるいはそれを越えて続く可能性があります。市場は、固唾をのんで予算審議の行方を見守ることになりそうです。

株式会社マネースクウェア・ジャパン チーフエコノミスト 西田明弘

最終更新:6/4(日) 7:00
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