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「ネクタイ」は顔ほどに物を言う?

6/4(日) 15:00配信

Forbes JAPAN

持ち物にはその人の品格が出る。良い物には理由があるのだー。

ファッションディレクターの森岡 弘とベテラン編集者の小暮昌弘が「紳士淑女が持つべきアイテム」を語る連載。今回は、全ての条件をクリアするというエルメネジルドゼニアのネクタイについて。



小暮昌弘(以下、小暮):今回は、イタリア屈指のスーツメーカー、エルメネジルドゼニア(以下ゼニア)ですね。スーツだけでなく、トータルでコレクションを発表し
ていますが、あえて、森岡さんがネクタイ(以下タイ)を取り上げた理由をお聞かせいただけますか。

森岡 弘(以下、森岡):ゼニアと言えばスーツですが、ゼニアのタイは本当に締めやすいということも伝えたいんです。キュッと締まって、崩れない。いろいろとタイを見ていると、きつく締めてもすぐに緩んでしまうもの、あるいは結び目=ノットがきれいに収まらないものがあるのですが、ゼニアの場合はシュッと収まって、テンションを強くかけなくてもノットがきれいに決まるし、ディンプルと呼ばれるエクボもつくりやすい。締め心地が最高にいいのです。

小暮:同じイタリア製のタイでもハンドメイドで柔らかく仕立ててあるものは、見た目はいいのですが、逆に結び目が緩んでしまうものがありますね。ビジネスシーンで求められるタイって、締めやすくて、カタチがきれいにつくれて、ノットが緩まないことですからね。

森岡:そう考えると、ゼニアのタイは、条件を全部クリア。加えてシーズン性が強くなく、ベーシックな色や柄が多いので、季節、年月にかかわらずずっと使えるものが多いのです。

小暮:紡績からスーツという製品まで手がけ、スーツ以外のアクセサリーまでつくっているトータルブランドならではの強みですね。

森岡:ビジネススーツの基本であるネイビーやグレーに合うタイがほとんど。すごいのは、ベーシックでも地味一辺倒なものではないこと。ソリッド=無地のタイも用意されていますが、一見無地風でも同色の柄が入っていたり。だから選ぶ楽しみもあり、コーディネーションするときも控えめな個性が出しやすい。男のスタイル全体を見ながらタイもデザインしていると僕は確信しています。タイはある意味、消耗品ですが、絶対買って損はないですよ。

小暮:それが専業メーカーのタイとトータルブランドのタイの違いかもしれませんね。

森岡:カチッと仕立てているのですが、締めるとフワッとボリューミーに結べます。

小暮:ある意味イタリアの服づくり、ものづくりの基本がタイにもよく表れている。

森岡:基本のプレーンノットという結び方でタイを結んでも、ノットが立体的、艶っぽく見えるんです。
--{贈り物にも最適なタイ}--
小暮:森岡さん、タイは、よく贈答品としても使われますね。でもタイだけがひとり歩きするような色や柄のタイを頂くと、合わせるスーツに困ってしまったこと、ありませんか?

森岡:実業家のパーソナルスタイリングをお手伝いしていたとき、300本くらい、タイをお持ちだったんですが、お持ちのスーツを考慮してタイを厳選したら、残ったのは20本くらい。いらないと判断したものはほとんどが贈られたタイでした(笑)。

小暮:女性はタイだけを見て選ぶケースが多いですからね。そういう意味では、ゼニアのタイは贈答品としても最適なタイと言えますね。

森岡:クオリティ、信頼感、ともに出来上がっているブランドですからね、ゼニアは。

小暮:スーツの流行を熟知するブランドだから、タイをつくっても、スーツと好相性なんですね。

森岡:本来、ネクタイは脇役ではなく、主役級になるくらい、センスが問われるもの。だってノットがきれいに結べているだけで、カッコよく見えるものです、ビジネススタイルでは。

小暮:英国王室御用達のデザイナー、ハーディ・エイミスは「ネクタイはそれを締めている人よりも一歩先に部屋に入ってくる」と。欧州ではタイを「クラバット」と呼びますが、これはフランス語の「クロアチア」が訛ったもので、17世紀、ルイ14世に謁見したクロアチアの兵隊が首に飾っていた布がタイの起源です。

森岡:男の顔でもあり、アイコンでもあるわけです。だからアメリカの新大統領はあんな長い真っ赤なタイを締めているんです。

小暮:歴代大統領はパワータイとして、よく赤を選びますが、あれは自分たちを鼓舞するパワーではなく、圧力を感じさせるタイですね(笑)。

森岡 弘◎『メンズクラブ』にてファッションエディターの修業を積んだ後、1996年に独立。株式会社グローブを設立し、広告、雑誌、タレント、文化人、政治家、実業家などのスタイリングを行う。ファッションを中心に活躍の場を広げ現在に至る。

小暮昌弘◎1957年生まれ。埼玉県出身。法政大学卒業。1982年、株式会社婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社。83年から『メンズクラブ』編集部へ。2006年から07年まで『メンズクラブ』編集長。09年よりフリーランスの編集者に。

Forbes JAPAN 編集部

最終更新:6/4(日) 15:00
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