ここから本文です

わずか1年半で月商3000万円!ブラック企業リーマンが「BUYMA」転売で一攫千金を摑んだわけ

6/4(日) 9:00配信

HARBOR BUSINESS Online

 2017年5月10日、厚生労働省・労働基準局監督課は、「労働基準関係法令違反に係る公表事案」を発表した。いわゆる「ブラック企業リスト」だ。しかし、リストに掲載された企業群が氷山の一角であることは誰の目にも明らかだ。ブラック労働に苦しむサラリーマンはまだまだ多く存在する。

「自分もかつて1日20時間働くサラリーマンだったんですが、ある日突然、歩けなくなりまして。医者に診断してもらったら『背骨が疲労骨折している』と言われました」

 自身の体験を振り返るのは、ITベンチャー企業で働いていた渡邉輝明さん(31歳)。ハードワークがたたり身体を壊した結果、退職を余儀なくされ実家で療養に専念することに。

「しばらくは傷病手当の16万円が出るものの、それ以降は収入のあてがなく、貯金もほとんどない状態で。ヤバイ、このままじゃ人生終わると、相当焦ってました」

 ベッドの上でネット検索を駆使して、渡邉さんがたどり着いたのが、「インターネット物販」。つまり海外ブランド品の転売だった。

◆ベッドの上から世界と取引する

 渡邉さんが目をつけたのは「BUYMA」という販売サイト、そこで海外ブランドを取り扱うバイヤーとして実績を積むことにした。とはいえ、手持ちの現金はほとんどなく、限度額100万円のクレカが1枚あるだけの状況。「クレジットカードのショッピング枠で商品を仕入れて販売するので、資金繰りは常に綱渡りでした」と、自転車操業ならぬ自転車“創業”のスタートとなった。

 もともと海外ブランド品について詳しいわけでもない渡邉さんは、ネットで見つけたBUYMAのバイヤーをメンターと見込んで連絡を取り、ブランド買い付けイロハを学んだ。

「教えに従って、まずはアメリカ在住のビジネスパートナーを探しました。現地のアウトレットで仕入れをしてもらうためです。この仕入れ方法は当時のBUYMAトッププレイヤーと全く同じやり方で、素人が現地パートナーを見つけて、海外仕入れルートを確立できたのは幸運でした」

 渡邉さんが転売を開始した当時は、消費税増税直前ということもあり、ブランド品の駆け込み需要が旺盛だった。渡邉さんが仕入れたアメリカブランドは飛ぶように売れ、開始2か月半で月の利益は130万円を越えた。骨折も完治し、体調も快復。順風満帆かと思った転売業だが、そこに暗雲が……。

◆順調だった売上がいきなり4割減

 当時を振り返って渡邉さんはこう語る。

「BUYMAで売れてる商品は『人気順』でソートすれば一発でわかるんですよね。だからソート結果を見て、私と全く同じ商品を仕入れて100円安い価格で出品するライバルが、3、4人現れました」

 渡邉さんがBUYMAに出品している商品数は約1000点。それをそっくりそのままモノマネ出品するライバルまで出現した。同一商品を扱う以上、差別化できるポイントは価格のみとなり、たちまち値下げ競争に巻き込まれる格好に。結果、売上は4割も下がってしまった。

「上手く行ってる人をモデリング(真似)するのは、新規参入者にとっては合理的な戦略です。だからパクる側が悪いのではなくて、パクられるようなやり方をしている自分に問題があると考えました」

◆モノマネされない2つの参入障壁

 対策として容易にパクられない参入障壁を築くことにした渡邉さん。その方法とは?

「2つのアプローチを試みました。ひとつは、ブランドの卸しの権利を取得することです」

 とはいえ、個人でそのようなことが可能なのだろうか?

「実は個人でも卸取引は可能です。ブランドサイトの最下部に『wholesale(ホールセール)』というリンクがあるので、そこから問い合わせのメールを送るだけです」

 渡邉さんによると、メールでのやりとりはグーグル翻訳レベルで十分。どうしても電話でやり取りする場合、クラウドソーシングで翻訳者を雇うという。アクセサリやサングラスといった小物系を扱うブランドは比較的狙い目とのことだ。

「コツとしては、いきなり値引きの話を持ち出すのではなく、『ホールセールの条件を教えてくれ』と切り出すことです。あとは日本での取引実績が豊富なバイヤーであることをアピールすることですね」

 交渉が成立する確率は1割くらいで、数をあたるのが重要だという。

「2つ目は、真似できない価格での仕入れです。具体的には海外セレクトショップで大口購入顧客、VIPになるのです」

 セレクトショップのVIPになれば、「有名ブランド品でもセール時に2~3割引で購入できるほか、様々なメリットがある」と、渡邉さん。

「アメリカのセレクトショップは、買う意志をきちんと示せば、誰にでも売ってくれる感じです。最初は小ロットから取引して、2回、3回と仕入れを重ねることで、最終的に6割引きで購入したこともあります。ヨーロッパの場合、通常22%課税される付加価値税が海外購入者は非課税となり、現地バイヤーよりも安い価格で仕入れられます。このメリットは絶大です」

 このほか、仲良くなったショップからはレセプションの招待状が届くこともあり、モデルや芸能人、セレブといった人達と交流が持てるという。地道な開拓を続け、1件新規取引がはじまると月の利益が100万円上積みされることもあるそうだ。

◆ただの転売では終わらせない

 自分の仕入れスタイルを確立した渡邉さんの快進撃は続き、あるブランドの日本独占契約を仲間達と取得。ラフォーレ原宿にリアル店舗の出店も果たした。転売開始からわずか1年半後の出来事である。

 ここまでくると、もはや片手間の副業ではなく、商社やアパレルの企業活動と変わらない。現在は3つの法人を設立し、スタッフも雇用して業務を回している。結果、渡邉さんの最高月商は3000万円にまで拡大した。

 さらに渡邉さんの販売手腕を見込んで、法人からのコンサル依頼が舞い込むようになった。最近では富士山の温泉水を使った化粧品のプロデュースに関わるほか、年商100億円規模の法人に対し、コンサルティングも行っている。

 かつての渡邉さんのように、ブラック労働で疲弊するサラリーマンへアドバイスを残してくれた。

「何となくで副業に取り組んでも、成功確率は低いと思います。普通に生きていたら知り得ないスキームや世界がどこかに存在するので、それを知るためにとにかく色々な人に会うことをオススメします。

 とはいえ、実際に会っても、9割は外れという世界だったりもしますが。また、職種でいうと、営業の方は比較的成功率が高いと思っています。自分も営業出身で、案件をなんとかモノにする精神が今でも非常に役立っています」

 サラリーマンの副業を事業へ飛躍させる原動力は1割の当たりを引き当てる圧倒的な行動量にあった。

<取材・文/栗林篤>

【栗林篤】

元IT企業のサラリーマン。年収300万円以下生活の傍ら、株式投資と不動産投資をはじめて、セミリタイアしてフリーライターに。優待株100超を保有、区分1貸家5アパート1を運用。公式ブログ「節約×株主優待×不動産投資でセミリタイアしたブログ 」更新中。著書『サラリーマンのままで副業1000万円』発売中

ハーバー・ビジネス・オンライン