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2.6人に1人が国の奨学金を活用も実質は学生ローン、リスクに注意

6/5(月) 16:00配信

マネーポストWEB

 教育費は家計の大きな負担だ。特に大学にかかる費用は桁違い。例えば、初年度に納める費用の平均は、国立で約81万7800円、私立文系で約114万6819円、私立理系だと約150万1233円にもなる(※大学の初年度に納める費用は、2017年度の文部科学省令による標準額および、文部科学省『平成26年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均調査』より。いずれも昼間部の場合)。

 忘れてはならないのは、これに加え、入学までもかなり出費があるということ。受験料は私大の場合、1学部約2万5000円程度、4校も受ければ10万円を超える。今春、子供が大学に入学したというファイナンシャルプランナーの大木美子さんは、

「入学式用のスーツや靴、交通費など思ってもいなかったお金がかかりました」と話す。

 ざっと試算しただけでも、大学に4年間通えば、1000万円以上かかるのがわかる。

2.6人に1人が国の奨学金を活用

 そんな家計の負担を少しでも減らそうと、今や多くの人が「奨学金」を活用している。日本でもっとも利用されているのが、文部科学省の独立行政法人「日本学生支援機構」の奨学金で、貸与割合は2.6人に1人(2015年調べ)。

 中でも第二種奨学金(貸与型・有利子)は、条件が比較的ゆるいため、手軽に利用されている。しかし、使い勝手がよいからこそ、思わぬ落とし穴に注意したい。というのも近年、経済や雇用状況の悪化で、奨学金の返還が滞る人が増えているのだ。

 奨学金問題対策全国会議の事務局長で、弁護士の岩重佳治さんは次のように話す。

「高校生や大学生に、奨学金を申し込む段階でいくら借りるべきかを判断させるには限界があります。貸与型奨学金は、将来の仕事や収入がわからないで借りるものなので、返せなくなる可能性が常にあることを考え、救済制度などを調べておきましょう」

 日本学生支援機構では、こういった、奨学金返済に苦しむ若者の増加などを踏まえ、2018年度から給付型の奨学金制度を始める。給付月額は自宅通学の国公立大学で2万円、自宅外通学の私立大学で4万円。対象者は住民税非課税世帯の成績優秀者で、1学年2万人程度だ。

 しかし、このような給付型奨学金はまだまだ少ないのが現状。奨学金アドバイザーの久米忠史さんは、「奨学金といえば聞こえはいいですが、実質は学生ローン。リスクを理解したうえで、活用しましょう」と忠告する。

※女性セブン2017年6月15日号

最終更新:6/5(月) 16:00
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