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柳原可奈子が山田邦子のアドバイスを受けて泣いちゃった

6/5(月) 6:00配信

SmartFLASH

『オレたちひょうきん族』の1980年代から活躍する女ピン芸人の先駆け山田邦子。デビュー間もなく売れっ子となり、以降10年以上第一線で走りつづける柳原可奈子。ともに太田プロに所属し、今も新ネタを作りつづけてネタライブに出演する。現役芸人として、互いをリスペクトする2人が、女ピン芸人論を語り尽くす。


――女ピン芸人が増えてきましたね。

山田邦子 いいことですよね。「女ピン芸人」がカテゴリーとして確立したから、職業としてアリと思われるようになったんでしょう。私が出てきたころは、女でピンの芸人がいなくて、いつも男子の中にぽつんといた。もう37年も前ですからね。可奈子は何年め?

柳原可奈子 13年めになります。

山田 もう堂々たる先輩だね。

――そもそも、2人はなぜピンに?

山田 私はもともと、中学から短大まで一緒だった「のりこちゃん」とコンビを組んで学生時代に活動していた。スカウトもされたんだけど、のりこちゃんは真面目だったので、「これを職業にするの!?」と怒られて決別。お互いボケもツッコミもやるコンビだったので、一人でもなんとかなるかなと思って。

柳原 私はコンビを組もうと考えたことが一度もなくて。協調性がないんですかね?(笑)

山田 自分と互角と思える人がまわりにいないと、組もうと思わないよね。

柳原 そうなんです。お笑いの養成所でも、思いや熱意が同じ人がいなくて。でもピンでよかった。よくも悪くも全部自分の責任なので。私、相方がネタを飛ばしたりしたら、すごく怒る
と思うんです。「なんで飛ばすの? 私がネタ書いてるんだよ?」と、ネチネチ言いそう(笑)。

山田 よかった先輩で(笑)。でも私たちの芸って、ずっと一人で書いて、覚えて練習して……。だから、一箇所抜けるとヤバいよね。デビュー前に生放送の素人参加番組に出たとき、リハーサルでカットになった部分だけが、本番で抜けちゃって。「忘れました……」と、じっと黙ってたの。30秒くらいで思い出して続けたら、それがウケて優勝。だから、私がここまでやってこれたのは、フレッシュで気立てがよかったから(笑)

――女性一人ならではの苦労は?

山田 何事も「迷惑をかけないようにしよう」という変な癖はついてるよね。

柳原 すごくありますね。でも私、男性芸人の中に紅一点って好きなんです。なんかヒロインみたいで(笑)。

山田 女のコ一人だったから使ってもらえた面はあるよね。

■男芸人と一緒に裸になったらドン引きされた

――柳原さんは、先輩に邦子さんがいてよかったと思うことはある?

柳原 私、ネタをやりつづけることに、気持ちが揺らぐことがあるんです。コントを書くのも演じるのも大好きなんだけど、たまにイヤになっちゃって。

山田 ネタはやりつづけたほうがいい。ネタは私たちの職業だから。

柳原 邦子さんの背中を見て、「逃げちゃダメだ」と気持ちを戻せるんです。

山田 可奈子にはタレント性があって、「本物の可奈子ちゃんだ!」と、喜んでくれる人が大勢いる。そういう方たちが、「あのネタを見たい!」と思ってくれる優秀なネタがあるんだから、それをやりつつ、年1、2本新ネタを作っていけばいいんじゃないかな。

柳原 嬉しい~。泣きそう!

山田 ただね、どんどん年は取るわよ。

柳原 急に冷たい水を浴びた気分……。

山田 かわいいかわいいと言われる期間なんてあっという間に終わるから、今のうちに満喫しておきなさい(笑)。


――邦子さんは、柳原さんという後輩が出来てよかった?

山田 そりゃ嬉しいですよ。昔の太田プロは、女性がいなくて私が第一号だったの。スカウトされて行ったのに、「女は難しいからいらないんだよな」って(笑)。その後、女性だけでユニットを組んだりしたけど、「女は難しい! 面倒くさい!」という意味がわかった。結婚でやめちゃうコも多いしね。

――自身も女性として、「女は面倒くさい!」と思う?

山田 私は、女であることは楽しい。でも、男もやってみたい。芸人になってから、「自分が男だったら」と思うこともたくさんあった。(ビート)たけしさんや(明石家)さんまさんたちと、同性の同業者として渡り合いたかったしね。芸人全員が全裸になったときに、「私だけできないんだ……」と思ったり。裸になってみたこともあるんだけど、ドン引きされた(笑)。

柳原 私も一回やってみようかな(笑)。

山田 十数年たって、女性コンビの「モリマン」が脱いでウケたのを見て、時代が変わったな~と。「なぜ私はダメだったんだろう」と、さんまさんに話したら「俺もウケへんのや」って。さんまさんは、オチンチンの形が美しすぎるからシラけちゃうんだって(笑)。

――全裸を見るのがイヤではなく、できなくてイヤなのが芸人思考ですね。

山田 一緒に笑いを作っていけないことが悔しかった。だけど、桂三枝(現文枝)さんや(笑福亭)鶴瓶さんら、少し上の世代の兄さん方が、かわいがってくれて。この人たちもよく脱いだんですよ。そのときに、「私に期待されているのは、女のコの『キャー』というリアクションだ」と気づいて、そういう場での役割を見つけたんです。「オチンチン変な形!」と笑ったりね(笑)。

柳原 同じ土俵に立つのではない、女芸人の役割。今、女芸人はみんな自然とそう立ちまわっていますけど、邦子さんが作ってくれた道なんですね。

■号泣しているこの状況をネタにしてしまえばいい

――今、気になる女ピン芸人は誰?

山田 一人は横澤夏子。大ブスじゃないけどキレイでもなく、なんか変でおもしろかった。あと、ここに入れるのもなんだけど、指原莉乃ですね。本人は芸人だと思ってないでしょうけど、久しぶりに「私の次が来たか!」と。カンペどおりに進行するMCが多いなか、「自分をちゃんと持ってるな」と。で、ちょっとブス(笑)。親近感があるし、ちゃんと磨かれてもいる。

柳原 最近、生でネタを見てすごいと思ったのは、ゆりやんレトリィバァちゃん。間をたっぷり取るネタで、そのセンスと勇気に驚きました。ブルゾンちえみちゃんもすごい。「with“B”」を従えたり、音楽を丸々入れ込んだり、まだこんな手法があったかと。

――この機会に聞きたいことはある?

山田 孤独を感じることってある? 私はすごくあるし、孤独が大好きなの。

柳原 カッコいい! 確かに好きかも。

山田 ネタ作りは孤独だけど、ネタは自分のもので、他人に聞いたらつまらなくなるから、孤独に立ち向かうしかない。でも必ず光は差すから、少しでも光が見えたらそれにすがる。この達成感というエクスタシーは、ピン芸をやっている、特に女しか味わえない。

柳原 なんだか、カウンセリング受けている気分です(笑)。私、正直言うと、今までお笑いに関して苦労したことがなかったんです。ペンを持ったらネタがスラスラ書けるくらい超天才で!

山田 奇遇だね。私も天才なの(笑)。

柳原 でも最近、初めてやり方がわからなくなっちゃって……ヤバい泣きそう。初めて悩んでたんです(号泣)。

山田 これ泣く話!?(笑)。今のこの状況をそのままネタにしたらいいんだよ。これでひとつネタできたじゃん。

柳原 できましたね!(泣き笑)。

山田 可奈子っておもしろい生き物だわ~。鏡見てみな、すごい笑えるから(笑)。辛いのは成長している証拠だよ。

柳原 嬉しい! 頑張ります!(号泣)。

山田 もうお前、面倒くさいわ!

やまだくにこ
1960年6月13日生まれ 東京都出身 1981年に芸人として本格的にデビューし、『オレたちひょうきん族』『やまだかつてないテレビ』(ともにフジテレビ系)などで活躍。現在も司会、舞台、執筆などマルチに活動中

やなぎはらかなこ
1986年2月3日生まれ 東京都出身 2005年デビュー。2007年
に出演したCMで注目を集め、一躍売れっ子に。現在『バイキング』MCや『もしもツアーズ』(ともにフジテレビ系)ナレーションなどで活躍

取材&文・松田優子
(週刊FLASH 2017年5月9日、16日号)

最終更新:6/5(月) 6:00
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