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あと10年早ければ、その人生は違っていたはず──転職のプロ・ヘッドハンターがいつも感じていること

6/5(月) 9:10配信

ライフハッカー[日本版]

「どうしてもう少し早く、お越しいただけなかったのだろう」

ヘッドハンターという仕事に就いてからというもの、もうどれだけ、こんなため息をついたかしれません。

せっかくキャリア相談にお見えになられても、こちらから、積極的なご提案ができそうもない。せめてあと3年、5年、できれば10年早かったら…。きっとこの方には、いくつもの選択肢があって、いろいろな夢を広げていけたかもしれないのに。

今回は、ヘッドハンターである筆者がいつも感じている「転職の現場」での問題について率直に語りたいと思います。

経歴・人柄が良くとも「若さ」という可能性が残っていない

実は、「履歴書にもお人柄にも大きな問題のない方」からのご相談が、「ヘッドハンターである私にとって一番悩ましいケース」になりがちです。

たとえば、Aさんは誰もが知っている大学を卒業されて、誰もが知っている上場企業に新卒入社、そこで営業現場を数年かけていくつか回った後に、本社部門では企画の仕事を修行したのち、再び現場に戻っていまの肩書きは課長補佐。体育会系出身で元気溌剌なお人柄は誰からの印象も良さそうでした。

しかし、38歳。すでにいまの会社に入社して17年目。他の会社はもちろん、別の事業を手がけたこともありません。

おそらく、いまの課長補佐というポジションから上を見たとき、そこには、バブル世代の役職者が何人も詰まっていて、「これでいいのか?」という気持ちが芽生えてきたのでしょう。

そのお気持ちはよく分かるのですが、この場合、下手に動かない方が良策であることが多いです。選択肢がまったくないとは申しませんが、転職してより良いキャリアを実現するまでのハードルが多すぎます。

まず、経験値のバラエティが少ない点が気になります。新しいビジネスを新しい会社で始めるのに、別の事業に取り組んだ経験が10年以上ないというのは、厳しいでしょう。

次に報酬面でも厳しい。誰もが知っている上場企業の生え抜きで、しかも30代後半となると、すでに相応の報酬が保障されています。よほどの実績がないかぎり、未知の人材にポンと出すには、かなり勇気が必要な金額になっているはずです。

最後に、ご家族からの反対もありえます。今後も将来が保障されている(はずの)会社でそれなりのポジションを持っているのに、「なぜ、それを投げ捨ててまで?」という考えは当然。お子さんがいらっしゃるようであればなおさらです。

以上を踏まえると、Aさんはまだ30代後半にも関わらず、選べそうな選択肢があまり残っていないのです。

もう少し、あと少し、早く来ていただければ、「若さ」という可能性が残っていたはずです。ご家族の意見や許容できる報酬レンジも、現時点とは違っていたかもしれません。良いポテンシャルをお持ちだと感じるほど、こちらとしても、とても寂しく感じる瞬間です。

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