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アメリカ人が思い描くジャパン(日本)とは何なんだろう?

6/5(月) 12:20配信

Wedge

(2016.4.6.~5.21 45日間 総費用47万円〈航空券含む〉)

 「ワタシ、オキナワ、カイヘイタイデス」

 4月11日。ミズーリ州のSpringfieldから美しい田園風景のなかを小一時間走ると“Gary’s Gay Paritas Sinclair Station”という修復された昔のガソリンスタンドがある。ジョーという30代後半の陽気なあんちゃんが出てきてあれやこれや説明してくれた。

 我々が日本人と分かると大喜びで「コンニチハ、ワタシナマエ、ジョーデス」と片言の日本語で挨拶する。彼はノースカロライナ州の出身。17歳の高校生の時に地元の不良少年仲間と傷害事件を起こして裁判所に送られた。ジョー曰く、ハイスクールでは“ワル”だったという。

 そのとき矯正施設(correctional facility)に入るか、海兵隊(marine)に入るか二つの選択肢を提示された。血気盛んであったので迷わず面白そう(exciting)な海兵隊に入隊。司法制度で更生プログラムの一つに海兵隊という選択肢があるのはいかにも米国らしいと思った。

 ジョーは真面目に海兵隊で勤務したので19歳で幸運にも沖縄の海兵隊基地に配属。とにかく沖縄では夢のような17年間を過ごしたという。13年間海兵隊勤務して、満期で退役してから4年間沖縄に留まり米軍関係や自動車修理工場で働いた。その間に日本女性と2回結婚。その他にも沢山ガールフレンドがいてオキナワ勤務はワンダフル&ドリームだったようだ。

 その後故郷のノースカロライナに戻った。紆余曲折あり、先週ガールフレンドであるメアリーの故郷Springfieldに引越してきた。メアリーはガソリンスタンドのオーナーであったGaryの娘であり父親が昨年亡くなったので跡を継いだ。ジョーは自動車修理が得意なので一緒にメアリーの父親Garyの残したガソリンスタンドとモーテルを経営する計画だという。

コールマン・シアターのボランティアのご婦人の息子自慢

 4月12日(火)。ミズーリ州からカンザス州を抜けてオクラホマ州に入るとマイアミという小都市がある。ここにコールマン・シアターという1929年に開業した劇場がある。劇場内部はボランティアが案内してくれる。中年のご婦人が我々専属で館内を丁寧に説明してくれる。

 1910年代亜鉛鉱山を経営して大金持ちになったコールマン氏が当時最先端の技術と絢爛豪華な贅を尽くして劇場を建設して市民に娯楽を提供したという。全館冷暖房完備でパイプオルガンは電気駆動機械式という世界に一つしかない代物。舞踏会のためのダンスホールまで付いている。シャンデリアも特注品でベルギーから輸入。

 この大富豪のコールマン氏は全米に四つも大邸宅を保有。映画、ミュージカル、演劇が大好きでハリウッドの邸宅に毎晩有名スターを呼んでは晩餐会や舞踏会を開いた。戦前の大物人気歌手ビング・クロスビーは特に親しくコールマン・シアターでも公演。“風と共に去りぬ”“荒馬と女”のクラーク・ゲーブルも遊びに来たとか。“雨に歌えば”のフレッド・アステアも華麗なステップを劇場で披露。

 館内を案内してもらった後でご婦人と雑談していたら彼女は我々が日本人と知って息子自慢を始めた。息子は現在東京で仕事をしておりアメリカの典型的なエリートであった。地元の高校卒業後アイビーリーグの名門ブラウン大学を卒業し、コロンビア大学で経営管理修士号(MBA)を取得して卒業後は投資銀行に勤務。現在26歳で昨年東京支社勤務となった。

 息子は日本での生活を満喫しており東京のアメリカンフットボールクラブにも所属して休日にはゲームに参加。日本の生活は快適で便利で日本食は美味しいし素晴らしい国だと常々息子から聞いている。来年は夫婦で東京に遊びに行く計画とのこと。彼女の日本礼賛はどこまでも続く(unstoppable)。

 首から下げたロケットを開けて息子の写真を見せてくれたが金髪のハンサム青年だ。ハンサムでスポーツマンの26歳のエリート青年にとっては日本での生活は天国であろうと容易に想像できた。

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最終更新:6/5(月) 12:20
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