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大宮が最下位脱出。新監督が見せた「降格圏でも勇敢に戦うサッカー」

6/5(月) 17:37配信

webスポルティーバ

 5月27日、J1大宮アルディージャは渋谷洋樹監督を解任した。昨季は5位と大健闘したが、今季は最下位に沈んでいた。成績不振を理由に、伊藤彰コーチの内部昇格による監督就任を発表している。

【写真】サガン鳥栖の監督は錠前屋

 新監督はどんなサッカーで、チームを立て直そうというのか?

「選手はトレーニングから、高いモチベーションで取り組んでくれています」

 伊藤新監督は明瞭な口調で言う。ひとつの質問に対し、簡潔に答える。そこに余計な感情は挟まない。”戦術マニア”と関係者の間で言われるが、合理的な性格か。

 そのリーグ戦初戦で、目指すべきプレーモデルははっきりと見えた。

 6月4日、大宮は本拠地NACKスタジアムにサガン鳥栖を迎えている。伊藤体制になってから初のJ1リーグ戦。是が非でも落とせないゲームだが、それ以上に「戦いの道筋を示せるか」が問われた。

 渋谷体制での大宮は、4-4-2を基本フォーメーションにしてきた。しかし、伊藤監督は4-1-4-1を選択。より攻撃的なマインドで戦いに挑んでいる。

「降格圏にあるチームとは思えないほど、無理してもボールをつなげようとしてきた」

 そう鳥栖の選手たちは語っているが、ボールを大事にする、その意志をまず、大宮陣営は提示した。

 攻撃の軸になっているのが、1トップに入った江坂任だろう。

 江坂は積極的に2列目に落ち、ボールを受けた。そして江坂を追い越す形で、2列目の選手が前線に入っていく。江坂は動きの質が高く、あらゆる点でタイミングが抜群。例えばボールを受けに下がり、背後を寄せられると、すかさずダイレクトで横に叩いて、深みと幅を同時に創り出せる。ビジョンも広く、まるでバックミラーを装備しているかのように、全方位的に敵と味方を察知し、”前線のプレーメーカー”となった。

 決して悪くはない立ち上がりだったが、守備に甘さが出た。

 前半17分だった。左からのFK、完全にフリーになった趙東建にヘディングを叩き込まれている。

 大宮はこの瞬間、ゾーンで守っていた。2人の選手の間に入られてしまったわけだが、間隔そのものが悪かったわけではない。しかし、もっと基本的なミスを犯していた。

「ゾーンをマークするのではない。ゾーンに入った敵をマークする」

 それは欧州サッカー界で”指導要綱”にもなりつつあるポイントだが、Jリーグではゾーンディフェンスがまだ「ゾーンをマークする」という状態のままで、大宮もその例に漏れなかった。

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