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「米政府の財政データ」を視覚化する美しきウェブサイト

6/5(月) 18:10配信

WIRED.jp

マイクロソフトの元CEOスティーヴ・バルマーが1,000万ドルを投じた、米政府の財政データを示すサイト「USAFacts」。党派色のないオープンな取り組みで、人々にわかりやすく政府のデータを提供するプロジェクトである。

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チャータースクール(地域・教員・保護者などが州政府の認可を受けて公費で自主運営する公立学校)の昨年の生徒総数を知りたいとしよう。そうした情報を探すのにどこを調べるだろうか? おそらく、まずはGoogleで検索するだろう。そうすると、全米教育統計センター(NCES)のページに誘導される。そのページを起点に、丹念に掘り下げて調べなければならない。

ページをスクロールダウンすると図表のリストがあるので、2016年分をクリックする。またスクロールして目を凝らすと、何行にもわたって小さな文字がぎっしり並んでいるなかに、「272万1,786人」と書かれたデータが見つかるだろう。

政府のデータは公開されてはいるが、必ずしもアクセスしやすいわけではない。マイクロソフトの元CEOスティーヴ・バルマーとシアトルのデザインスタジオ「Artefact」による新プロジェクト「USAFacts」の目標は、そうした現状を変えることである。

マトリョーシカのようなデザイン

USAFactsは、1,000万ドル(約11億円)をかけた野心的な取り組みで、オープンで党派色がなく、非常に理解しやすいかたちで政府のデータを示す。2017年4月18日に開設されたウェブサイトは、地方政府や州政府、連邦政府の70を超える機関のデータ30年分を、適切にデザインされたハブにまとめている。

米政府は2009年に、データを一元管理する「Data.gov」を開設した。またオバマ前大統領は2014年、記録保存基準を満足のいく水準にするために、「デジタル説明責任と透明性確保法」、通称「DATA法」[関連記事]を承認した。USAFactsは、これまでのこうしたオープンデータプロジェクトと目的は同じだが、より利用されやすいプラットフォームである。官庁による取り組みや、同じく政府データの整理・解析を目指すOpenGovのようなスタートアップのプラットフォームとは、まったく似ていない。

USAFactsのサイトは、文字が読みやすい。操作は直感的だ。だが何よりも大事なのは、無味乾燥な事実と数字が、デザインスタジオのArtefactの手で興味を感じられるものに姿を変えていることだ。バルマーのチームは、2年の歳月を費やして政府のウェブサイトをくまなく調べ、PDFファイルやスプレッドシート、ウェブサイト、報告書からデータを手作業で抽出し、それらを大量のスプレッドシートやデータ表に入力した。Artefactのデザイナーは、そうした膨大な未加工情報を元に、大量のデータにアクセスし、理解できる一連のインフォグラフィックを作成した。数回クリックするだけでシームレスに移動して、収入や支出を詳細に調べることができる。

USAFactsのランディングページを訪問すると、インタラクティヴなグラフィックが現れる。「政府の金はどこから来て、どこに回されるのか?」という疑問に答えるために、Artefactはマトリョーシカのようなグラフィックを作成した。やりとりすればするほど、詳細がさらに明らかになる仕組みだ。インフォグラフィックのひとかたまりのデータの上にマウスポインターを重ねると、さまざまなデータセット間の相関性がわかる。クリックすると、その金の使途についてさらに詳しいデータが表示される。

Artefactのユーザーエクスペリエンスデザイナーであるデイヴ・マッコルギンは、次のように問いかける。「かなり詳細なものを掘り下げて調べているときにも、全体像が同時に見えることが必要です。それなしに、どうやって全体を理解するというのでしょうか?」

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最終更新:6/5(月) 18:10
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