ここから本文です

わが子の「乳歯」を捨ててはいけない!?その意外な理由とは

6/5(月) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

 わが子の乳歯が抜けたら、昔は下の歯は屋根の上、上の歯は縁の下に投げ込む風習が一般的だった。現在では、住環境も変わってマンション住まいの人も増え、そのまま捨ててしまうケースが大半なのではないだろうか。ところが、すぐに捨てない方がいいのかもしれない。というのも、現在は再生医療の技術が進み、乳歯や親知らずが将来病気になった時の治療や、医療の研究に役立つ可能性が出てきたからだ。折しも、6月4日から「歯と口の健康週間」に入った。「抜けた歯」を用いた再生医療の可能性について取材してみた。(医療ジャーナリスト 木原洋美)

● 乳歯と親知らずは 再生医療に役立つ

 「お母さん、歯抜けたよ」

 息子(7歳)が、抜けたばかりの小さな歯を見せてくれた。

 「ホントだ、じゃあ下の歯だから屋根の上に投げようか。永久歯が、丈夫にすくすく生えてきますようにって」

 「上の歯は縁の下なんだよね」

 「そうよ」

 「でもさ、マンションの子はどうするの。屋根も縁の下もないよね。屋上とか地下室があるマンションもあるよね。タワーマンションの子なんかすごいことになるよね。どうするの」

 「うーーん……」

 子どものいる家庭では、普通にありそうなこんなやりとり。昔は当たり前のように行われていたことも、なかなかできなくなるご時世だが、愛しいわが子の乳歯、ただ捨ててしまうのは胸が痛むし、かといって記念にとっておいてもあまり意味がないような気がする。

 ではどうしたらいいのか。実は昨今、乳歯と親知らずには、格好の引き取り先が準備されているのをご存じだろうか。

「歯髄(しずい)細胞バンク※1
」だ。 預け方は2通り。1つは、本人や家族が将来再生医療を必要とする病気にかかった場合の備えとして、有料で保管してもらうバンクのようなスタイル。もう1つは、創薬や研究など再生医療の発展に利用するために、「献血」ならぬ「献歯※2
」として、無償で寄付するスタイルだ。 2008年に日本で初めて「歯髄細胞バンク」を立ち上げた。株式会社セルテクノロジーの大友宏一氏(代表取締役)に話を聞いた(※1、※2は同社が登録商標を取得している)。

● 向いているのは 若く健康な時期の歯髄

 ――乳歯や親知らずが、再生医療に役立つとはどういうことなのでしょうか。

 「役に立つのは歯髄といって、硬い組織(象牙質)に囲まれた歯の中央部にある、血管や神経を含む軟らかい組織(結合組織)です。この歯髄の中にいる間葉系幹細胞(歯髄幹細胞)がすごい。取り出して適切な環境で増やし、さまざまな病気やケガの治療に役立てる研究が進んでいます。

 特に、抜いた(抜けた)乳歯や親知らずの神経(歯髄細胞)には、骨髄細胞や臍帯血に勝るとも劣らない元気な幹細胞があり、治療への応用範囲も広いことから、有料でお預かりする「歯髄細胞バンク」事業をスタートしました。並行して、難病や救命医療などの再生医療に役立てる目的で、乳歯や親知らずを無償でご寄付いただいて備蓄する、『献歯』のボランティア・プロジェクトも展開しています。

 一方、実用化研究は、九州大学、京都大学、愛知学院大学等の研究機関や第一三共、エーザイ等の製薬企業との産学連携で取り組んでおります」

1/4ページ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

特集1 攻める睡眠 守る睡眠
快眠で差がつく・不眠で死なない
特集2 白物家電の逆襲
「新星」たちが起こすビッグバン

ダイヤモンド・オンラインの前後の記事

Yahoo!ニュースからのお知らせ