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金融業界異色トップ誕生の背景にビジネスモデルの大転換

6/6(火) 16:00配信

NEWS ポストセブン

 衝撃的なトップ交代だった。5月24日、三菱東京UFJ銀行の小山田隆・頭取が体調不良で辞任、三毛兼承・副頭取の昇格が発表された。小山田氏は昨年4月に頭取に就任したばかりで、「三毛氏はもともと、頭取候補として名前が挙がっていなかった。国際畑が長い異色の頭取となった」(業界関係者)という。

 同行でのトップ交代は“緊急事態”によるものだが、興味深いことに三井住友銀行でも今年4月、国際畑が長い高島誠氏が頭取に就任している。

「超低金利の時代が続き、銀行も国内の預貸事業では収益が上がらない。メガバンク各行とも海外金融機関との提携やM&Aを進め、国際事業を収益の柱にしようと試行錯誤を重ねてきた。そんななかで国際畑の経営トップ誕生が相次いだのは、ある種の“必然”のようにも思える」(同前)

 数年前から金融界で着々と進んでいたビジネスモデルの大転換が、「異色のトップ誕生」というかたちで表出したとする見方だ。

 もともと大手金融機関は、「三菱東京UFJ銀行の頭取は、旧三菱銀行出身で企画畑」などと出世ルートが“硬直化”した業界と認識されてきた。しかし、それも激変の最中にある。金融ジャーナリストの森岡英樹氏はいう。

「みずほFGでは、佐藤康博社長が自ら“塾頭”となる『次世代リーダー育成プログラム』を2016年から始めている。40歳前後の次長・副支店長級、45歳前後の副部長級、50歳前後の部長級の3世代に分け、それぞれの世代の社員の1割にあたる100人ずつが選抜されて研修を受ける。そこからさらに幹部候補を絞り込む取り組みだといいます」

 今年4月には、みずほ銀行で34歳の最年少支店長が誕生。やはり幹部社員の選抜過程が大きく変わりつつあることを印象づける。

 社内でどんな人材が重用され、幹部候補と目されているかは、そのまま“企業がどこに進もうとしているのか”を示している。

※週刊ポスト2017年6月16日号