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「腹落ちしてない社員」は、すぐ変革を忘れる

6/6(火) 6:10配信

日経BizGate

予算の都合で「肝心なところ」を省き失敗

 変革の時代といわれ、変われない企業は存続が難しくなっています。だからこそ、企業は様々な変革プロジェクトに取り組んできたわけですが、その失敗確率は実に60~70%に達するといわれています。

 この数字をみなさんはどのように感じるでしょうか。おそらく「そんなに失敗しているのか...」と驚かれていると思います。なぜ、このような結果になってしまうのかというと、最も変えるのが難しい「人の意識・感情」に対して、ケアが疎かになっていたからにほかなりません。これが変革プロジェクトに失敗する最大の理由です。

 ある変革プロジェクトでは、社員の意識を変えるために必要な活動を丁寧に実施しようと計画していたのですが、プロジェクトのスケジュールや予算の都合から取りやめになり、「社員には当面、細かく指示を出せばよい」と方針が変わってしまったそうです。プロジェクトの遅延や予算のしわ寄せは、常にこういう部分(効果が出にくく、結果が目に見えにくい、人や組織に対する活動)に来るものです。

 さらに悪いことに、組織のトップからメッセージを出すことすらなく、何の予告もなくいきなり現場社員へツールの使い方の説明をしてしまった、とのことです。結果は想像できますよね。現場の社員から猛反発を招き、そこから組織変革は遅々として進まなくなってしまいました。

 この例では、新しい仕組みを導入するときに「社員に指示を出すだけだった」ことが問題でした。そこには「行動が変われば意識が変わる。だから指示を出せばよい」という変な思い込みがあったと考えられます。一見、指示に従って動いたとしても、社員一人ひとりが自主的に動けているわけではないでしょう。指示を緩めると、社員の行動はすぐ元に戻ってしまうはずです。それなら指示を緩めなければいいのかというと、指示する側も、される側も疲れて嫌になるばかりです。

 これでは変革の効果が出なくて当然です。長い目で見ると、指示だけでは行動を変えられないのです。では、「行動」を長期的に変えて、習慣にさせるには何が必要でしょうか。

 それは社員一人ひとりの「感情」です。つまり、社員一人ひとりの「感情」に対する適切なアプローチこそ、変革に必要なものなのです。ただし、文字通り「一人ひとり」に個別対応したアプローチを実施するのは現実的ではありません。これからは、ダイバーシティーにふさわしいアプローチを通して、社員の「感情」に向き合う必要があるのです。

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最終更新:6/6(火) 6:10
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